昭和レトロを堪能できる街の一つに青梅駅周辺があります。
青梅市の西部は間に奥多摩町や桧原村をはさんで山梨県北都留郡と向き合う東京都多摩地域の西の外れに位置しています。
青梅駅とその周辺はまるで時が止まったかのように昭和のままの風情。
JR青梅線青梅駅で下車して外へ出て振り向くと鉄筋コンクリート3階建ての古風な駅舎が目に入ります。
写真が青梅駅ですが、どことなく地方私鉄のターミナル駅みたいですね。
それもそのはず。青梅線は1944年に国有化されるまで青梅鉄道という私鉄線で青梅駅は1924年に本社ビルを兼ねた駅舎として建てられたものだったのです。
散策して楽しめる青梅のレトロスポットは駅の周辺にこぢんまりとまとまっていて、半日もあればひととおり回れます。
青梅駅の裏手の山を15分ぐらい歩いて上ったところにあるのがこちら、青梅鉄道公園です。
1962年に鉄道開業九十周年を記念して作られました。
鉄道公園なので当然のことながら古いSLやチョコレート色の電気機関車や電車、新幹線0系などが展示されています。
鉄筋コンクリート3階建ての展示棟には子供たちに人気の新幹線が疾走するHOゲージ鉄道模型レイアウトや鉄道車両のディスプレイモデルが展示されています。
左は屋内で展示されているビジネス特急こだま号。右は5m×3mぐらいはありそうな大型鉄道模型レイアウトです。
鉄道車両は1872年の鉄道開業から新幹線までの様々な機関車や電車が展示されています。
「鉄道公園」なのですから当然ですね。
では主な展示車両をご覧いただきましょう。
まずは明治生まれのSLから。左は新橋―横浜間鉄道開業時ヨークシャー社から購入した10号機関車110形です。
中央はイギリスのベイヤーピーコック社で製造された5500形蒸気機関車の5540号です。
右は1890年から1906年までに533両製造された貨物用タンク機関車B6の2221号です。
大正生まれの機関車もあります。
左は大正時代を代表する旅客用の国産蒸気機関車8620形のトップナンバー8620号です。
右は同じく大正時代の国産貨物用蒸気機関車9600形9608号です。
さて、昭和生まれのSLに移りましょう。
左は1940年汽車製造製のD51 452。煙突には集煙装置が付いています。
右は1948年製の勾配区間専用機関車E10 2です。動輪が左右5個ずつついています。しかも後ろ向きに使うことを前提としていたのか運転台は前後逆です。
左は1931年に16両製造されたED16 の1号機、1980年に準鉄道記念物に指定された貴重な文化財です。
右は1935年に田中車両(現・近畿車両)で製造された車端の両方に運転台のあるクモハ40054です。
新幹線0系もありました。
1969年に汽車製造で作られた0系新幹線電車22-75。大阪万博輸送用に製造されたものです。
車内は製造当時の背もたれが前後に倒れることで進行方向を向く座席が再現されていました。
時が止まったかのような施設ですが、昭和レトロがお好きな方が注目すべきは実は園内の遊具!
SL型豆汽車や旧国鉄特急「白鳥号」を模した乗用の幼児向け電車や乗用の動くぬいぐるみ。定番のパンダカーのほかラクダのように見えるものもあります。ぬいぐるみ型バッテリーカーですね。
国鉄特急はさすがに渋すぎるのかちびっこには不人気でした。
なんだかデパートの屋上遊園地の遊具みたいですね。
これらの遊具に大人も乗ろうと思えば乗れないこともないのですが、子供連れのピクニック客だらけなので、乗れば家族連れの冷たい視線を一斉に浴びるか子供に「あっ、大人のくせにあんなので遊んでる!」といわれてしまうでしょうね。
お子さんやお孫さんを連れてくるか、集団で行って昭和レトロ趣味活動の一環として乗る旨を明示するため、お揃いのバッジや腕章でも付ければ或いは理解を得られるかもしれません。
開館時間: 3月~10月 10:00~17:30 11月~2月 10:00~16:30
休館日 : 毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)及び年末年始
入場料 : 小学生以上100円