江戸東京たてもの園には江戸物件もあります。
明治以降の建物がいっぱい建ち並ぶ中、江戸物件はどこか浮いています。
元々江戸東京たてもの園は江戸東京博物館の分館の野外建築物博物館として作られたので仕方ない部分もありますが、江戸時代の建物は場所を変えて忍者村か京都の太秦みたいにまとめて移築すれば、時代劇セットとしてテレビ局や映画会社が撮影に活用できたのにな…と思ってしまいます。
八王子千人同心組頭の家
八王子千人同心組頭が住んでいた江戸時代後期のわらぶき小屋です。
八王子千人同心とは戦国時代の甲斐武田家の雑兵で、武田家滅亡後に徳川家の家臣となった郷士です。
郷士というのは武士と農民を兼ねた人たちで、農業を営みつつ江戸初期は武蔵と甲斐の国境の警備を担いましたが、その後は江戸城修復時の警備や日光勤番、幕末は江戸警備や長州征伐の出兵などを果たしました。
室内には囲炉裏もあって、田舎の農家みたいになっています。
裏にはこんな風に井戸と納戸があります。
井戸は江戸時代風ではなく、ポンプが付いて若干近代的になってますね。
綱島家(農家)
かつて世田谷区岡本にあった江戸中期の農家です。
内部は土間、板張りの広間と納戸、座敷二間に分かれていて、江戸時代の農家の雰囲気がよく出た建物です。
旧自証院霊屋
娘が、「あれ、神社があるよ!」と指さした建物がこれ。
1652(慶安5)年に建てられた霊廟です。
徳川家光の側室お振の方の霊廟で、市谷富久町の自証寺の中に建立されました。
なんとなく雰囲気が日光東照宮みたいですね。