今回も江戸東京たてもの園の下町商店建築編、いってみましょう!
武居三省堂
1927(昭和2)年に千代田区神田須田町に建てられた文房具屋さんです。
花市生花店の向かって左側に復元されました。
木造ながら地上三階地下1階のかなり規模の大きなお店です。
地下室は荷造りと商品仕分けのスペース。
1階入口付近は店舗。
その奥に台所と三畳の食事スペースがあって、お店の人が交代で食事と休憩を回していました。2階と3階は店主一家と使用人の生活スペースで、家族とスタッフ合わせて15人ぐらいが住み込みで働いていました。
小寺醤油店
1933(昭和8)年に港区白金5丁目に建てられた醤油屋さんです。
醤油のほかに味噌、缶詰、調味料、清涼飲料水も置いていました。
今では醤油はスーパーにペットボトルに入れられて売られていますが、その昔は量り売りといって、お客さんが徳利や瓶を持って行って、そこに醤油を入れてその分量で料金を取るスタイルでした。
味噌もパック入りではなく、壺かなんかを持って行って中に入れてもらうスタイル。
あらかじめ入れ物を用意する手間はありますが、プラゴミが出ず、エコだったんですよ。
仕立屋
これは古いですよ!
文京区向丘に1879(明治12)年に建てられた明治物件です。
明治から大正にかけては着物の仕立て、昭和初期はテーラー(スーツの仕立て)、戦後は八百屋さんになっていた建物です。
出桁造木造二階建ての建物の内部には大正時代の仕立屋の様子が再現されています。
当時の仕立屋は生地に狂いが出ないように夏でも炭火をおこして、火熨斗、つまり炭火で厚くするアイロンでをかけて生地を伸ばしてから鯨尺で寸法を測って生地を裁断し、縫いました。
そんな風景は和服の仕立屋さんならではの光景ですね。