万徳旅館
幕末か明治維新の頃、青梅市西分の青梅街道沿いに建てられた古い日本旅館です。
木造2階建てで、屋根はトタン葺きになっていますが、元はこけら葺きだったそうです。
入口を入ると土間があってその後は帳場です。
帳場の左側は中土間を挟んで厨房。
ここで旅人の食事を作り、熱燗もつけていたわけです。
こちらは1階のお部屋。
各部屋はふすまで仕切られているので、今の旅館と違ってプライバシーは守られてませんね。
各部屋に鍵なんてないですし。
男はつらいよで寅さんが泊まる商人宿が似たような造りでしたが、まさに江戸時代の旅籠そのままです。
子宝湯
1929(昭和4)年に足立区千住元町に建てられた銭湯です。
関東大震災の復旧の際にとある銭湯の再建に来たのが宮大工さん。
それで立派なお寺風の建物の銭湯を建てたところ、人気が出て、お寺風デザインの銭湯は急速に普及しました。
これもその一つ。
1988年に廃業するまでこの立派な銭湯は営業していました。
北千住駅から千住新橋に行く途中の日光街道の脇に入ったところにこういう銭湯が今でもありますね。
千住寿町の大黒湯です。
キングオブ銭湯と呼ばれ、露天風呂まで持っています。
これが子宝湯の浴室。
こちらは女湯側です。
立派なペンキ絵もしっかり保存されています。
富士山の絵なのですが、円錐形の富士山を拝めるのは男湯側のようです。
植村邸
鰹節屋の大和屋本店の建物に寄り添うようにして建っているのは、1927(昭和2)年に中央区新富2丁目に建てられた時計と貴金属の店、植村邸です。
丸二商店とよく似た雰囲気の銅板仕上げの看板建築です。
時計と貴金属のお店というとショーケースに指輪や時計が並んで…と思いますが、ここにはそんなものはありません。
かつて時計と貴金属はショーケースに並べて売るのではなく、店主が手持ちの商品を持って顧客を回り、お客さんが気に入ったらその場で売り、お客さんが気に入らなかったら、なじみの職人に作らせるというほぼオーダーメイドみたいなことをしていました。