今日は白黒時代の時代劇にいってみましょうか。
今回の似而非カラーシリーズは「隠密剣士」です。
カラー化がいまいちでちょっと顔が緑っぽくなってしまいました。
隠密剣士は後の時代劇とは違い30分番組。
1962年から1965年にかけて10部128話の長期にわたってTBSで放映されました。
制作は宣弘社プロダクション。
主演の松平信千代は月光仮面の大瀬康一です。
大瀬康一は1958年から1972年にかけて活躍した1960年代のヒーロータレントで大部屋俳優で芸能活動を始めたのち、月光仮面で主役の座を射止めました。
月光仮面と本作の他、バックナンバー333、鞍馬天狗、黒い編笠、白頭巾参上などの主演作があります。
奥さんは元タカラジェンヌの高千穂ひづるで、高千穂ひづるのお父さんは「俺がルールブックだ」でその名を知られた鬼の球審二出川延明です。
隠密剣士は天明7年から寛政2年までの江戸後期の日本各地を舞台。
11代将軍徳川家斉の腹違いの兄松平信千代が密命を受けて隠密秋草新太郎となって悪事を働く忍者集団と戦うというものです。
元々は子供向け時代劇という企画でした。
しかし、子供だけでなく大人にも大人気。
最盛期には40%の視聴率を獲得しました。
この作品によって忍者ブームが巻き起こりました。
後の忍者部隊月光も猿飛佐助もこの作品が忍者ブームを起こしたことで登場したわけです。
また、将軍や御三家の腹違いの兄弟や双子の兄弟が活躍するのは若様侍や桃太郎侍、松平右近、長七郎江戸日記なども同じモチーフですね。
私が赤ん坊のころの作品なので名前しか聞いたことがない作品ですが、のちのテレビ時代劇の原型のような作品だったことは確かです。
大瀬康一は俳優を続けていたらたぶん水戸黄門や大石内蔵助の役が回ってきたかもしれません。
結婚した時お舅さんの鬼の二出川から球審をやめて新たに始めたビル賃貸や飲食店の経営を娘と継いでほしいと懇願されて芸能界を引退しました。
年齢から考えて月光仮面関係のイベントにはもしかしたら出てくるかもしれないですね。