今回は1953年封切りの雨月物語です。
白黒映画時代の代表的なホラー映画です。
江戸時代の有名なホラー小説です。
その中の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編を一つにまとめて脚色しています。
「蛇性の婬」は無声映画時代の1921年に映画化されています。
あらすじはこんな感じです。
時は戦国時代。
近江の農民兼陶工の源十郎(森雅之)は戦乱に乗じて義弟の藤兵衛(小沢栄)と共に焼き物を大量に作って一儲けしようと企てます。
家族がとりあえず食べられればいいと難色を示す源十郎の妻宮木(田中絹代)をしり目にドンドンと焼き物を作って売り、息子や妻に立派な着物を買ってやる。
しかし、戦が激しくなったため、一家で村を出ることにした。
その旅の途中で海賊に襲われた船とすれ違う。
不安になった源十郎は妻子を村に帰し、藤兵衛と二人で長浜に向かう。
長浜では持ってきた焼き物が高く売れて二人は大金を手にする。
藤兵衛は武士になることを切望していたため、分け前で武具を買って侍の集団に潜り込んでしまった。
一方源十郎は焼き物を買ってくれた人の中に若狭(京マチ子)という貴婦人がいて、ぜひともと乞われて屋敷に行き焼き物を焼く約束をする。
若狭とラブラブになった藤兵衛、若狭に着物を買ってやることにして店に行ったが持っているお金が微妙に足りない。
残りを支払うから若狭の家に取りに来てくれと頼むと、店の人は着物はやるから帰ってくれと言い捨てた。
戻る途中で坊さんに会った。
坊さんは死相が出ていると源十郎にいい、身体に護符を書き込んだ。
若狭のところに戻ると源十郎は村に帰ると告げた。
すると若狭は怖い死霊の姿を現し、源十郎に襲い掛かる。
しかし、護符の力で手を出すことはできなかった。
やっとの思いで若狭の屋敷を飛び出すと源十郎は気絶した。
気が付くとそこは廃墟だった。
慌てて村に帰ると村は焼かれており、妻宮木は柴田勝家軍に殺されていた。
霊となった宮木に会って金儲け主義を反省した藤十郎は焼き物にいそしんだのだった。
なにやら仏教説話的でちょっと説教臭い話ですね。