レトロ万華鏡

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似而非カラーシリーズ  白黒映画のスチールをカラー化する9 東京物語

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白黒の日本映画というと1950年代に人気のあった黒澤明作品ばかり挙がっちゃいますよね。

アレ!?

小津安二郎は?

どこからか、声が聞こえてきそうです。

分かりました。

やりましょう!

小津作品からご紹介するのは1953年公開、松竹配給の「東京物語」です。

男はつらいよの御前様こと笠智衆演じるお爺さんと東山千栄子演じるお婆さんが尾道から上京。

子供たちを訪ねるのですが、忙しい忙しいと邪険に扱います。

そんな中、戦死した次男坊の奥さん、原節子演じる未亡人だけがお爺さんお婆さんに優しく接しました。

しっかり東京見物の案内までかって出て。

お爺さんお婆さんは未亡人の手厚いもてなしを受けて尾道に帰りました。

ほどなく、お婆さんは死んじゃうんです。

葬儀に子供たちが集まりました。

未亡人は甲斐甲斐しく働く一方で、他の子供たちはわがまま勝手ばかり。

さっさと葬儀を済ませると東京に帰ってしまいました。

最後まで残って片付けの手伝いをしたのは未亡人。

お爺さんは「旅行の時は世話になった」とお婆さんの形見を未亡人に渡しました。

すると未亡人は泣き崩れる!

田舎から来る老夫婦と邪険にする子供たちというシチュエーションはその後、韓国映画にも取り入れられました。

1985年封切の「長男」(監督: イ・ドゥヨン(李斗鏞))です。

小津作品と違うところはお爺さんお婆さんが故郷の村がダムで水没するためにソウルに出てくる。

老夫婦の世話焼きは末っ子。

長男は済州島に長期出張。

その間にお婆さん死去。

最後に長男が号泣。

「どうしてもっとちゃんと親孝行出来なかった!」

基本的シチュエーションは東京物語ですが、しっかりコリアンテイストになってました。

孝行したいときに親はなし!って結構普遍的テーマですね!