(海のトリトン)
今回は手塚アニメ第二弾、海のトリトンでいってみますか。
1972年4月から9月までの2クール放送されていました。
まず、オープニングがカッコ良かったですね。
特にテーマ曲。
ヒデ夕樹さんの声がめっちゃ渋かった。
キカイダーのテーマや日立のこの木何の木って社歌歌っている人なんですが、元々はソウルミュージックの方。
ラッツアンドスターの鈴木雅之さんをバリトンにしたみたいな歌い方をしてました。
(ヒデ夕樹)
エンディングなんかバックコーラスが神田川や妹で大ヒットする前の売れてないかぐや姫なんです。
須藤リカ(すどうかずみ)の後でよく見ると南こうせつ、伊勢正三、山田パンダが歌ってます。
見つけられた人は幸せになれますよ!
かぐや姫ファンだけですが。
(すどうかずみのバックコーラスがかぐや姫)
それと主役の声優さんが子役タレント。
アトム以来、アニメでは男の子の役って伝統的?に女性の声優さんがやってるんですよ。
中にはそれが得意で、デェベテランになっちゃったレジェンド野沢雅子さんなんかいますからね。
今じゃ音響監督兼声優学校の先生ですが。
宮崎駿監督は男の子の声に子役タレントを起用するのがお好きみたいですけど、昔は塩屋さんと雷門ケン坊さんぐらいでした。
雷門ケン坊さんだとサスケとかやってましたね。
それとトリトンのキャスティングで注目すべきはトリトンのパートナーのピピって人魚の少女。
演ってるの熱血!広川太一郎大先生の妹さんの広川あけみさん。
広川太一郎大先生がキャスティングされてないのはちょっと残念!
少年サンデーの連載かと思っていたら違うんですね。
何と毎日、1ページずつ産経新聞に連載されていたそうです。
これは知りませんでした。
しかもストーリーがちょっと違うみたいなんです。
アニメではトリトンは雄の人魚で先天的に海洋生活出来る身体をしてます。
アニメとは違い赤ん坊のトリトンは少年に拾われます。
海上生活出来る身体は訓練で身に付けたもの。
ピピはピピ子って名前でトリトンと結婚して7人の子供が生まれます。
(ピピ)
ラストも原作はかなり違います。
原作はラスボスポセイドン族を大型ミサイルに閉じ込め、自分も乗り込んで諸共お空のお星様に。
自爆したトリトンに代わって、息子のブルーが二代目襲名って……って歌舞伎か⁈
アニメの方は善悪逆転。
大どんでん返し。
オセロの黒が一発で白になるみたいな言われ方されますね。
ラスボスが「俺たちポセイドン族はお前らトリトン族に全滅させられた!」って恨みながら死にますからね。
それじゃトリトンは諸悪の根源ですね。
後味悪いですね。
アトランティスを沈めてトリトン族を大量虐殺したのはポセイドン族なのに。
後味悪い話は途中のエピソードにもありましたね。
タロス!
(いいヤツなのにポセイドンにトリトンは悪者と吹き込まれて戦いを挑み、倒された気の毒なタロス)
海底に眠っていた優しい海の守神タロス。
ポセイドンは蘇らせるんです。
「トリトンってヤツは海を荒らすとても悪い奴だから、来たら始末しろ!」って吹き込む。
真に受けたタロスはトリトンを見つけて始末しようとするも、返り討ち。
なんか可哀想でした。
トリトンが忘れられないのは後味悪い、ほろ苦い話が多いからかもしれませんね。