レトロ万華鏡

昭和レトロなものいっぱいのブログです。

思い出のアニメ ジャパニメーション編25 その他1970年代の日本のアニメ 天才バカボン

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「賛成の反対なのだ!これでいいのだ!」

赤塚不二夫のアニメならモーレツア太郎もひみつのアッコちゃんもおそ松くんもありますが、この形而上学的にイカレタおじさんの前には全部霞んでしまいます。

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バカボン。中の人は山本圭子

そもそも主役はホッペになると模様付けて、着物着ているボンクラ少年のバカボンじゃないの?って思いますが、実際の主役はバカボンのパパ

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バカボンのパパ。名前がバカボンのパパってなんなのさ!中の人は雨森雅司

放映期間は1971年9月25日から1972年6月24日まで。

その後もテレビシリーズは第5シリーズまで作られています。

とにかく人を食った作品です。

バカボンのパパは原作では無職らしいのですが、アニメでは造園士。

都内に一戸建ての家を持ち、固定資産税も払って、ママとバカボンハジメちゃんを食わせているのですから、植木屋としてかなりのやり手だと思うのですが、そんなところはまるで見せません。

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バカボンのママ。中の人は峰不二子増山江威子赤塚不二夫の希望でこのキャスティング)

もしかしたら、おじいちゃんが残した土地で不動産賃貸業でもしてるのかなぁ。

事務手続きを全部ママにやらせて。

馬鹿田大学卒で後輩や同期も全部変な人ばかり。

バカボンを毎回巻き込んで無茶振りして、トラブルった末に話が振り出しに戻って、「これでいいのだ!」

毎回の基本ストーリーのパターンです。

バカボンはツッコミ役。

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ハジメちゃん。中の人は貴家堂子。この方、頭の良い幼児がハマり役?タラちゃんまでやってますが)

知恵袋は生まれてすぐにしゃべり始めたハジメちゃん。

ルパン3世のIQ300を遥かに超えているかも。

ピタゴラスの定理ケプラーの法則まで理解して、英語だってこなします。

ハジメちゃんに議論を仕掛けられる人ってノーベル賞科学者くらいなもんでしょう。

確か最終回でNASAに呼ばれて一家で渡米するんじゃなかったかな。

ママはおおらかな常識人ですが、パパの暴走で時々ブチ切れます。

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(レレレのおじさん)

ご近所の人はレレレのおじさん。

本業は家電メーカーか家電量販店の社長らしいのですが、いつも道を掃きながらパパを見るといいます。

「レレレのレ〜!お出掛けで〜すか?」

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(目ん玉繋がりのお巡り)

その他、日本一ピストルを撃つ目ん玉繋がりのお巡りにウナギイヌ

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ウナギイヌ

脇役も相当ぶっ飛んでいます。

青梅の赤塚不二夫会館に展示されていた原稿にはこんなストーリーも!

腹を減らした目ん玉繋がりのお巡りがウナギイヌを食べようと追いかけ回す。

ウナギイヌバカボンのパパのところに逃げ込む。

パパはニャロメを捕まえてきて、池の主のデッカい鯉に下半身を食いつかせる。

巨鯉が下半身を飲み込んだニャロメを目ん玉繋がりのお巡りに差し出して一言。

「世にも珍しいニャン魚だ。これ食え!」

めちゃくちゃな漫画でしたが、バカボンの語源が仏様を意味する「薄伽梵」だとか、レレレのおじさんのモデルが掃除で悟りを開いた釈尊の弟子の周利槃特だとか。

或いは「これでいいのだ!」は悟りの言葉だとか。

赤塚不二夫自身はバカボンの意味を「天才的に馬鹿なボンボンでバカボンって書いてましたけどね。

でも、どこか仏教哲学のかおりのするドタバタ喜劇でした。