「愚か者!余の顔を見忘れたか!」
「上様の名を語る曲者じゃ!斬って捨てィ!」
主役が権力者も権力者。
1978年から2002年まで12シリーズ作られた東映時代劇ドラマです。
そういえば昔ラジオか何かで子供が社会のテストで江戸幕府8代将軍の名前は?って問題で「暴れん坊将軍」って書いてバツもらったって話を聞きましたね。
それぐらい人気がありました。
これも話は大体パターンがありましたね。
貧乏旗本の三男坊、天下の風来坊徳田新之助と称する身なりの妙に小綺麗な浪人者が火消しのめ組にふらっとやってきちゃ居候する。
(め組の女将。初代は春川ますみ)
理由は目安箱への投書の内容を確かめにきたり、単に気晴らしだったり。
途中でヤクザかあらくれ武士にいじめられている町人を助ける。
気になって悪者の周りを浪人の徳田新之助としてうろつき、忍者や首斬り役人山田朝右衛門や大岡越前を使って内情を調べる。
大抵浮かび上がる黒幕が私服を肥やそうとする悪旗本か出世狙いの譜代の小大名。
証拠を掴むと黒幕の屋敷に乗り込む。
大抵、黒幕は悪徳商人やヤクザと宴会中。
「愚か者!余の顔を見忘れたか!潔く腹を詰めィ!」
それで悪者は出会え出会え!で部下を動員して吉宗を斬ろうとして返り討ち。
最後はどこからともなく現れた吉宗配下の忍者にとどめを刺されます。
だいたいこんな雰囲気の時代劇です。
吉宗は松平健さんです。
マツケンサンバの。
(め組の組頭は北島三郎。私はコンセントとか鼻とかあだ名をつけてました)
め組の組頭辰五郎は北島三郎。
忍者の御庭番に仮面ライダーV3の宮内洋が初期に出てたとか、その辺見たくなりますね。
(御庭番役にV3がいたことも!)
でもツウは出会え!出会え!で出てくる侍に注目しましょう。
必ず肋骨が出て洗濯板みたいな胸板の人が真っ先に駆け出してきます。
斬られて大袈裟なポーズを取って、カメラから見切れていくの。
他の時代劇を見ても何故か出てくる。
いつも見るから、いつものおじさんって呼んでました。
実は有名な殺陣師の方でした。
福本清三さんっていう。
(福本さんは斬られるとド派手にのけ反ります。これで主役が見事に引き立ちます)
福本さんが殺陣に出てくると、画面に緊迫感が出て、引き締まるんです。
マスタードは酸っぱいとステーキの味が台無しになるし、辛すぎると味が分かんなくなっちゃう。
太秦にはこういうプロの仕事をする達人がいっぱいいます。
地上波であまり時代劇をやらなくなって、福本さんみたいな業師を観られなくて、寂しいですね。