レトロ万華鏡

昭和レトロなものいっぱいのブログです。

思い出のドラマ時代劇編3 権力者系3 桃太郎侍/長七郎天下ご免!/松平右近事件帳

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なんなんだ?お前は!

桃から生まれた長七郎!

中には松平右近というものもある!

何?

三つの時代劇が混じっているって?

いいの、いいの。

どうせストーリー全部同じだから。

将軍か大大名の縁戚(御烙印、双子の兄弟、甥っ子等)を名乗る剣豪が江戸の町で、法の網をかい潜り、或いはねじ曲げてやりたい放題やる悪旗本、悪代官、米買い占めで相場を吊り上げる悪徳商人などを見つけて、証拠を掴んだ上で、斬殺するって話です。

ポイントは将軍、幕閣などから法の網を掻い潜る巨悪をワシらになりかわって切り捨てよという命令か依頼か許可を得ていること。

いわば秘密警察的要素があるかですね。

秘密警察であっても権力者が江戸市民を弾圧するために用意したものではありません。

そっちは巨悪サイド。

あくまでも庶民生活を守るための秘密警察であることが前提。

でないと戦前から続く時代劇の「勧善懲悪」に反しますからね。

悪が栄えたんじゃ、怒って誰も見ませんから。

お上の許可無しに巨悪を斬るだとこれは刺客、闇の仕事人のカテゴリーになります。

ストーリーの大元は戦前に小説が書かれて、戦後映画でやっていた「若様侍捕物帖」ではないですかねぇ。

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(1960年公開の東映時代劇映画の若様侍。主演は大川橋蔵

ドラマでは1959年に第一シリーズが夏目俊二主演で作られています。

第二シリーズは1967年制作で、市川新之助時代の市川団十郎が主演。

第三シリーズは1973年制作で林与一主演。

覚えているのは田村正和主演で1978年に制作された第四シリーズ。

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田村正和主演の若様侍第4シリーズ)

船宿の二階に居座って酒ばかり飲んでいるさる大名の御烙印の侍。

岡っ引が事件を持ち込むとたちどころに解決するって話で、田村正和の武器は独楽でした。

桃太郎侍以下ストーリーはだいたい似たり寄ったりなので、違う点だけまとめてみます。

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桃太郎侍

1976〜1981年放映。

主演:高橋英樹

役名:松平鶴次郎

権力者との縁戚関係:若年寄松平備前守の双子の弟

決め台詞「ひと~つ 人の世、生き血をすすり

ふた~つ 不埒悪行三昧

みぃ~つ 醜い浮き世の鬼を

退治てくれよう桃太郎!」

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長七郎天下ご免!

1979〜1982年放映。

主演:里見浩太朗

役名:松平長七郎

権力者との縁戚関係:駿河大納言松平忠長の遺児。徳川家光から見ると甥。

普段は結城長三郎という偽名を使う。

決め台詞:「天、不正を為せばそれを絶つ。悪に上下の隔てはない。天下ご免!松平長七郎!」

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松平右近事件帳

1982〜1983年放映。

主演:里見浩太朗

役名:松平右近

権力者との縁戚関係:十一代将軍徳川家斉実弟。普段は長屋の町医者として暮らしている。

決め台詞:「浮世小路の藪太郎。……中には、“松平右近”と呼ぶ者もいる」

桃太郎侍は俳優が違いますが、松平長七郎と松平右近は同じ俳優。

松平長七郎と松平右近は江戸初期と文化文政時代で時代がまるで違います。

髪型や扮装や街の様子で差をもっとつけるべきでした。

見どころが殺陣だけってなんだかなぁって感じです。

若様侍なんか元の小説は江戸時代版私立探偵のミステリだったみたいだし。

謎ときに主軸を置いたらもっと面白くなったのに。

時代劇が昔ほどウケなくなったのって、殺陣以外の見どころを作れなかった点にもあるんじゃないですかねぇ。