横溝正史原作。
おどろおどろしい舞台設定にてんこもりトリック。
まさにちょんまげ付けた金田一耕助でした。
これ、平次、右門と並ぶ五大捕物帳なんですよ。
残り二つは若様侍と半七。
若様侍は田村正和がやってましたが、ド派手な浪人にしか見えませんでしたなぁ。
半七捕物帳は1966年に長谷川一夫、1971年に平幹二朗、1979年に尾上菊五郎、平成に入って、1992年に里見浩太朗、1997年に真田広之がやってますが、これぞ当たり役!……とはいきませんでしたね。
(映画版人形佐七は若山富三郎)
人形佐七捕物帳は東映時代劇映画の時代に若山冨三郎の当たり役でした。
(林与一版人形佐七。映画時代の長谷川一夫の半七を彷彿とさせます)
私が見たのは松方弘樹。
1977年放映のでした。
おかみさんのお粂さんは真屋順子。
江戸っ子子分の巾着の辰五郎は渡辺篤史。
目明かしになりたくて修行のため江戸に来て子分になったうらなりの豆六は笑福亭鶴光。
怪しい鶴光とほんわかした欽どこのお母さんそのままの真屋順子がいい味出してました。
あの場合、一番のミスキャストは松方弘樹でした。
人形佐七は文楽人形のようなスマートなイケメンだから「人形」佐七なんです。
おかみさんが人形焼き屋ってぇのは岡っ引の女房は大抵店をやってましたから、よしとして、松方弘樹じゃ色黒でゴツ過ぎです。
オフの度にクルーザーで南の海に行ってマグロ釣って来るようなタイプではないですね。
松方弘樹は寧ろ清水の次郎長みたいなヤクザをやった方が似合います。
ほら、だから、他の佐七のタレント、みんな色白でスマートです。
若山富三郎もヤクザ映画の人ですが、時代劇映画の頃は色白でスマートでした。
(平成版堤大二郎)
平成に入って、堤大二郎と要潤がやってますが、やっぱり色白でスマートですね。
(要潤版佐七。お粂、辰五郎、豆六も一緒)
松方弘樹版は他のキャストはそのままで佐七を石坂浩二にやらせて、監督を実相寺監督にして、もっとおどろおどろしく怪奇大作戦みたいに撮ったら、面白くなったと思います。