悪人にドンと体当たり!
次の瞬間、ハマグリで股間を握り潰す。
すると、レントゲン映像で小さい風船みたいなのがバーンと破裂!
ウゲェ!
悪人が白目を剥いて倒れる!
衝撃的な殺し方。
必殺にない凄い手口です。
(影同心パート1。同心が三人で元締兼頼み人が鳥居甲斐守ってとこが主水の出る必殺と大きく異なるところですね)
これ、影同心パート1(1975年4月5日〜10月11日放映。全24回)
放映期間が1975年10月18日から1976年3月27日で、主水みたいなのが寺社奉行配下の同心で元締が尼寺の庵主様。必殺そっくりのストーリーで庵主様の「浮かばれぬ哀れな人たちを成仏させるためには私は喜んで地獄に落ちます」という台詞で仕事に行くのが影同心パート2です。
朝日放送のプロデューサーからは必殺のパクリだ〜!って文句を言われてましたね。
朝日放送ーTBS、毎日放送-NET(現テレビ朝日)という資本関係とそぐわないネット関係が問題になり、朝日放送-NET、毎日放送-TBSに修正する動きが1975年3月31日に見られました。
面白くないのはTBSです。
ドル箱の必殺シリーズをただでNETに巻き上げられる訳ですから。
アタマに来て、NETに移った必殺に類似番組をぶつけることにしました。
それが影同心シリーズです。
パート1はヒット。
アタマに来た朝日放送サイドは人気の中村主水をぶつけて視聴率を奪還。
パート2は視聴率を稼げず終了という結果になりました。
ストーリーは必殺そっくりなので特徴と配役のみ紹介します。
影同心パート1
全員同心。
元締は南町奉行鳥居甲斐守(田村高広)。
鳥居は「小石川養生所見廻り役の更科右近」「高積見回り役の高木勘平」「例繰方の柳田茂左衛門」の窓際族同心三人の資質を見抜き、集めます。
三人へのミッションはお白洲で裁けない悪人を闇に葬ること。
こうして影同心は生まれます。
(更科右近)
(暗殺はフォークみたいな鉄櫛で)
更科右近(山口崇)は女物の鉄櫛で悪人の首筋をグサッ!
(ヒゲモジャ同心が斬新な高木勘平)
高木勘平(渡瀬恒彦)は月代は剃っているけど無精髭ボウボウ。鎖付き打刀で斬りつける剣豪です。
(定年間近の老同心柳田茂左衛門)
弱点は女の悪人を始末出来ないこと。
武器が武器ですから。
髪結のお佐知(范文雀)という愛人がいて捜査を手伝ってもらってます。
正妻は周江(丹阿弥谷津子)。
「貴方に嫁して三十年。後悔ばかりの毎日で御座いました」と茂左衛門をいびる。
その度に母が爆笑してましたよ。
「まぁ!この人たち本物の夫婦よー!ホンネかしら?」…ってね。
影同心パート2
こっちは必殺そっくりでした。
元締は谷中香泉院の庵主。
尼僧の香月尼(浜木綿子)
殺しの技は先を尖らせるか針を仕込んだ切り花を悪人の首筋にグサッ!っと刺して人間生け花にします。
(夕陽が落ちて行く 雲が流れて行く〜♪ 堀田源八郎は主題歌も担当)
剣豪ながら、町奉行所の同心でないため、目の前で事件が起きても手出し出来ず歯痒く思っていた。
闇の仕事ではバッタバッタと悪人を斬る。
(留吉、庵主様、堀田のスリーショット)
寺男の留吉(水谷豊)
元博徒。堀田源八郎の口利きで香泉院の寺男となり、庵主様の下で働く。
武器は爪楊枝と木槌。
悪人の眉間に爪楊枝を吐きかけ、刺さったところをカツン!と木槌で釘のように打ち込む。
(フンドシで首を絞める平七)
元錠前破りの牢番。
武器は初期には女性の髪を束ねて作ったロープで首を絞めていたが、途中からフンドシに変わりました。
お金で殺人を請け負うことはありませんでしたが、ノリは必殺ですね。