ピキーッ!
カシャンカシャンカシャン……。
にじり寄ってくるカラクリ日本人形。
次の瞬間に人形の口がパカッと開いて
プシュンプシュンと毒針発射。
額に針を撃ち込まれた人は苦悶しながらバッタリ!
おっと、これ、ホラー映画じゃないんです。
なんと、隠密同心的時代劇のワンシーン。
影同心Ⅱの後番組で1976年4月3日から9月25日まで三船プロ制作で放映された「隠し目付参上」です。
必殺を薄めて派手な時代劇アクションにしてました。
必殺の中村主水は文化文政から幕末が舞台ですが、隠し目付参上では時代がグッと遡って松平定信の時代。
黒幕は松平伊豆守。
と言っても徳川家光の有能な補佐官だった伊豆守ではなく、松平信明という松平定信の片腕みたいな人物。
この信明が不正を行う巨悪を叩くため、秘密警察を組織。
(九十九内膳正。普段は怪しい浪人者)
松平信明(三船敏郎)が腹違いの兄九十九内膳正(三船敏郎、一人二役)を元締にして隠し目付5人を採用。
その隠し目付五人衆は次の通り。
春楽先生(江森徹)
普段は街のからくり師。
自宅はカラクリだらけの忍者屋敷みたいになっている。
帝政ロシアが日本に持ち込んだライブスチームのSL模型のレプリカを作り、明治時代に東芝を興した田中儀右衛門と蘭学に明るい平賀源内を足したようなキャラでした。
隠し目付の参謀で元締の九十九内膳正がいないときは司令官役もこなします。
討ち入りのときは二刀流です。
吉岡鉄五郎(竜雷太)
貧乏道場主で子守などのバイトをしている。
太刀一本差して討ち入りをします。
普段道場主なので剣豪には違いないです。
最終回で死闘の末殉職。
ちょっと太陽にほえろのゴリさんとイメージが被りますね。
佐吉(沖雅也)
遊び人でニヒルでクールなやつ。
ほぼ太陽にほえろのスコッチですなぁ。
討ち入りでは打ち刀を使い、峰打ちが多い。
菊次(大谷直子)
芸者。討ち入りでは短刀を逆手に持って戦う。
韋駄天のお駒(秋野暢子)
普段は女飛脚だが、内膳正からの指令書を配る伝令役。
討ち入りの際は刀と鞘で戦う。
三太
春楽先生の作ったカラクリ人形。
目蓋を閉じたり口を開けたりしますが、コイツこそが7人目の隠し目付。
口から毒針を発射して悪人を抹殺します。
操作は春楽先生が行い、伝声管をセットすれば、悪人相手に口撃もします。
喋るのは春楽先生ですけどね。
まさにオートマター。
いや殺人ロボットだからダークマターかなぁ。
不思議なのは隠密同心もそうでしたが、春楽先生は普段は総髪だった筈。
それが討ち入りのときは立派なサムライ髷なんですよ。
月代どうしたの?
ズラ?