レトロ万華鏡

昭和レトロなものいっぱいのブログです。

思い出のドラマ時代劇編18 異色作2 おしどり右京捕物車

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「人間本来無一物。砕けた足も追われた職も、所詮この世の塵芥(ちりあくた)」

「江戸は涙の吹き溜まり。死んだ子供と花一匁。花一匁で何を買う?」

「風に晒した生き様一つ。おしどり血車下請け与力。押して押させぬ横車」

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極悪人を容赦なく捕まえて拷問にかける北町奉行所の鬼与力・神谷右京(中村敦夫)。

一人の盗賊を捕らえて拷問にかけた上、獄門台に送った。

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盗賊の父親は盗賊団のかしら。

神谷右京の妻のおハナ(ジュディオング)は組紐屋の内職をしていて、しかも跡継ぎ妊娠中。

盗賊団のかしらである野洲萬蔵組紐屋を脅してハナに内職を発注させないようにした。

それだけではなく、トラバサミの罠を仕掛けた場所に右京を呼び出し、上から材木の山を落とし、右京の命を奪おうとした。

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右京は一命を取り留めたが、下半身不随に。

おハナは流産、内職失業。

右京は与力の仕事ができない体になったとして改易。

役宅も追い出された。

右京とおハナは失意のまま江戸を出ることにした。

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(右京、おハナと観念)

とりあえず寺に身を寄せた。

住職の息子の観念(下條アトム)はお経はろくすっぽ読めないものの大工仕事が得意な変な坊主。

悪友の音三に手伝わせて、特製車椅子(箱車)を作ってくれた。

軽くてブレーキ付き。

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右京は先端に苦無をくくりつけた鞭を振るう猛特訓。

自信をつけた右京はおハナに箱車を押してもらい、野洲萬蔵一味に決闘を申し込む。

苦無付きの鞭で一味を皆殺しにして報復をした。

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その後、かつての同僚秋山左之介(前田吟)に奉行所で手に余る事件を一件一両で解決する下請け与力を頼まれて引き受けた。

まるで時代劇版鬼警部アイアンサイドですね。

毎回ハードなストーリー展開と激しいアクションが続きます。

エンディングテーマがなんだかマカロニウエスタンっぽい妙にカッコいい歌なんです。

一件一両で極悪人退治。

なんか必殺っぽいなぁ……って思ったら、プロデューサー以下スタッフが必殺の人たち。

しかも企画当初、必殺シリーズに組み込むことが検討されていたという幻の必殺シリーズだったんです。

どおりで。

ジュディオングがおハナ役になったのは小柄だから。

背の高い女優さんだと箱車を押すカットで顔が見切れる恐れがあったからです。

放映期間は1974年4月4日から9月26日まで。

中村敦夫のハードな演技は必殺スタッフにウケたんでしょうね。

その後、牢屋同心の中村主水が共演し、自身は惚れた女旅芸人のために脱藩した浪人赤井剣之介となると必殺仕業人

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必殺仕業人

霊能力を持つ行者が死者の恨みの声を聞いて、口裂け女並みの超高速で殺した犯人を旗竿で心臓一突きする「翔べ!必殺うらごろし」の主役になりました。

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翔べ!必殺うらごろし

それにしても車椅子の殺し屋なんて設定、今は地上波で流せないでしょうねぇ。