0系ファンには堪えられないとっておきのドラマを紹介します。
「新幹線公安官」です。
制作は東映。
必ず毎回0系新幹線が登場します。
主役はどてらい男ではモーやんをやっていた西郷輝彦が演じる鉄道公安官久我明。
一見クールでスマートなんだけど、車内でスリや置引を繰り返す若者を捕まえて話を聞くと厳しく取り締まって重い刑罰を科してやる!……ではないんです。
身の上話を聞いて更生させようと頑張っちゃうタイプ。
放映期間は第1期と第2期があって、第1期は1977年8月9日から10月25日まで(火曜夜8時〜)、第2期は1978年4月3日から9月25日まで(月曜夜9時〜)でした。1話完結で正味50分ぐらいの間に事件を解決する刑事ドラマみたいな番組でしたから、新幹線と相まってスピーディーなイメージでしたね。
鉄道公安官は鉄道公安職員ともいって、国鉄分割民営化以降は全国各都道府県の警察の鉄道警察隊になりましたが、旧国鉄にあって、国鉄敷地内での犯罪取り締まりや捜査、防犯に従事していた人たちです。
英語ならRAILWAY POLICE。
まぁ、スリ、置引、痴漢、列車内や駅構内での殺人事件や麻薬事件なんかを扱っていた訳ですね。
(私が根府川で撮影した0系。ドラマの0系走行場面は鉄ヲタがお立ち台と呼ぶ撮影名所を活用したり、遠くから望遠レンズで撮っていたのでしょう)
新幹線公安官は東海道山陽新幹線担当の鉄道公安職員って設定でした。
久我明公安官と一緒に働く主な公安職員の面々は次の通り。
丸山梢公安官(坂口良子)
女性犯罪者の取り調べを行う美人公安職員。
第二シリーズで登場したチーフ。
桐山俊作公安官(大坂志郎)
ベテラン公安職員。
(左が高木健彦、右が桐山俊作)
乾信三主任(中谷一郎)
藤巻潤が出てきてちょっと影が薄くなったかも。こういう人、昔みどりの窓口で指定券を売るベテラン駅員に一人はいそうな感じでした。
高木健彦公安官(三ツ木清隆)
第1期のみ登場する若手公安職員。
芝辻啓介 室長(山村聰)
新幹線公安官のボス。
食堂車のインテリアがなんか変だったり、新幹線同士がすれ違う場面、カメラなんか設置出来なさそうなアングルでした。
(0系車内はおそらくセット。乗車下車と駅構内を歩くシーンがロケのようです)
妙だなと思って調べたら、映画の「新幹線大爆破」のセットや模型の使い回しをしていたみたいです。
新幹線0系ばかりでは流石にネタが切れたようでした。
1979年には仕切り直して、放映も月曜夜8時からにして、キャストも全部変えて在来線も舞台に含めた「鉄道公安官」が始まりました。
(鉄道公安官)
こちらの主人公は石立鉄男演じる榊大介主任。
でも石立鉄男がなんかおちゃらけていて、シャープな公安職員とイメージが合いませんでしたね。
主題歌のホームタウン急行(サーカス)は良かったけど。
ハッキリミスキャストだと思います。
石立鉄男は渥美清や藤村俊二や吉岡秀隆と並ぶペーソス溢れる喜劇俳優だと思います。
石立鉄男主演なら渥美清の喜劇急行列車みたいな特急の専務車掌か食堂車のシェフ(調理掛)のドラマの方が絶対面白いのにな。
モーやんのシャープだけど人情家の公安職員、なかなか味があって、よかったですね。