こちらもとある方から頂いた戦前の絵葉書です
いただいたとき、この写真の奇妙さに視線が止まりました。
だってそうでしょ?
「小川眼科病院」ってタイトルでビルの屋上のペントハウスの前で子供たちが記念写真撮っているし、別カットで素っ裸の子供が紫外線照射治療らしきものを受けている。
なんじゃコリャ⁈って思いますよ。
生命保険屋の本社ビルもですが、どう考えても観光名所でも有名な駅でもないビルが絵葉書になっているのは不思議ですよね。
それにしても、「小川眼科病院」ってどこの病院?
調べてみましたよ。
1931年に湯島で開業した入院施設まである大きな眼科だったんです。
(小川眼科病院の建物はテナントビルとして健在だった)
そのビルが東京大空襲を逃れて、今も残ってます。
開院した初代院長は小川剣三郎。
実はそのお兄さんがとんでもない人でした。
何と日本初のステンドグラス作家小川三知(1867〜1928)です。
そのため単なる個人病院とは思えない立派なステンドグラスが入っています。
(玄関の立派なステンドグラス)
かつてはビル1棟丸ごと入院病室付きの眼科でした。
鉄筋コンクリート3階地下1階のかなり立派な個人病院でしたが、親族への相続の問題があって、ビル自体は黒沢ビルというテナントビルになり、眼科は1階だけになりました。
国の登録有形文化財にもなっているためか、黒沢ビルでは維持管理費三千円、月1回予約制で一般公開してきました。
今はコロナ対策で公開を中止しているようですが、コロナが落ち着いたら、再開する計画のようです。