レトロ万華鏡

昭和レトロなものいっぱいのブログです。

似而非カラーシリーズ 白黒映画のスチールをカラー化する1 ゴジラ

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先だって似而非カラーシリーズでは白黒ドラマのスチール写真をカラー化しましたが、今度は白黒映画のスチールをカラー化してみましょう。

戦前や戦後すぐの映画のスチールは画質が悪くてカラー化するとセピア色になるなどうまくいきませんでした。

そのため1950年代の映画ばかりになりますが、その辺はご容赦ください。

今回は1954年に封切られたゴジラの第一回目映画です。

写真は勝鬨橋で暴れるゴジラです。

第五福竜丸ビキニ環礁で水爆実験した際に付近を航行していた漁船が被ばくしました。

和製キングコングを作ろうということで、水爆実験で太古のジュラ紀の恐竜がよみがえって東京の街を襲うという話です。

監督は本多 猪四郎。

特撮監督はのちにウルトラマンを手掛ける円谷英二

主演の南海サルベージ尾形秀人所長に宝田明

ヒロイン山根恵美子に河内桃子

尾形所長の友人の青年科学者芹沢大助に平田明彦

生物学者で山根美恵子の父・山根恭平博士に志村喬

……といった陣容です。

このゴジラシリーズ、実はキャンディーズのスーちゃんこと故田中好子さんが大好きだった映画でした。

千住の映画館に何度も見に行ったようです。

一番影響を受けたのは、のちに制作されたゴジラモスラ

平成にリメイク・再制作されることになったときはエキストラでいいから使ってとラブコールを送り、ワンカット出演したとか。

ゴジラビオランテのヒロインオファーが来たときはもちろん二つ返事でOK。

出演するだけでなく、特撮の現場を見学に行ってヒロイン女優が見に来るなんてと現場が驚いたそうです。

ともあれ、日本の特撮怪獣映画の元祖がこのゴジラでした。

ゴジラの成功がなければ円谷プロも生まれていなかったことでしょう。

 

 

 

横浜山手洋館散歩10 番外編 その他近代建築

横浜山手散歩の最後は山下町、山手のその他の歴史的建造物を紹介しましょう。

横浜地方気象台

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 外人墓地の向かいの石垣の上のビル、一見斬新な建物で歴史的建造物には見えませんが、あゆみ棟と呼ばれるアールデコ様式の昭和初期のモダニズム建築なんです。

竣工は1927年。

2005年には横浜市有形文化財に指定されました。

もう一軒隣接して渡り廊下でつながったみらい棟が建ってますが、こちらは2009年竣工です。

現役気象台で、ここから台風情報や注意報、警報を発令します。

平日の10時から16時まで一応一般公開してます。

所在地:横浜市中区山手町99

 

横浜赤レンガ倉庫f:id:T_YAMADA:20191013163948j:plain

横浜の観光地というと外せないのはここ、赤レンガ倉庫です。

元々は明治政府が建てた横浜港の保税倉庫でした。

2号館が1911年、1号館が1913年に竣工しました。

保税倉庫としての役割は1989年に終了し、しばらく廃墟になっていましたが、2002年に1号館を展示スペースとホール、2号館を商業施設に改装し、リニューアルオープンしました。

2号館にはレストランなどの物販店に交じってレトロショップも入っています。

所在地は横浜市中区新港1-1-1。

休館日は年に一度の施設点検日。

営業時間は1号館が10時から19時、2号館は10時から20時で、一部レストランは23時まで営業しています。

 

ホテルニューグランド 

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 関東大震災で外国人向けホテルが倒壊して失われてしまった横浜で官民一体で1927年に建てられたクラシックホテルがこのホテルニューグランドです。

山下埠頭のすぐそば、山下公園の向かいで、氷川丸マリンタワーもこのホテルのすぐそばです。

設計者は渡辺仁。

総料理長としてスイス人シェフのサリー・ワイルが就任しました。

スパゲッティーナポリタン、ドリア、プリンアラモードの元祖店でもあります。

所在地:横浜市中区山下町10

 

横浜市外電話局 

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 1929年に横浜中央電話局として開局した建物です。

NTTが移転したため、横浜市で保存活用することになりました。

2003年にリニューアルされ、2階に横浜ユーラシア文化館、4階に横浜都市発展記念館がオープンしました。

所在地は横浜市中区日本大通12です。

 

横浜貿易会館f:id:T_YAMADA:20191013171119j:plain

 1929年に横浜貿易協会の事務所として建てられたビルですが、ビル名より圧倒的に有名なのはレストランスカンディアですね。

ビルの1階と2階を占めるのがデンマーク料理専門店です。

所在地は横浜市中区海岸通り1-1。

営業時間は日曜のみ17時から22時で、月曜日から土曜日は11時から22時です。

月曜日から土曜日は1階で比較的リーズナブルにランチを楽しめます。

 

 氷川丸f:id:T_YAMADA:20191013172006j:plain

建物じゃなくて船ですが、横浜港のシンボルなので最後にこれをご紹介します。

日本郵船が1930年に竣工させた貨客船です。

総トン数11622トン。

北太平洋航路で1960年まで活躍しましたが、太平洋戦争中は病院船でした。

戦前の客船でたった一隻残る貴重な文化財です。

以前は結婚式場やビアガーデンとして活用されていましたが、現在はほぼ博物館のような活用をされています。

休館日は毎週月曜日、開館時間は10時から17時です。

入場料は大人300円、65歳以上は200円、小学生~高校生は100円です。

 

 

 

 

 

横浜山手洋館散歩9 番外編 横浜三塔


横浜の山下町、山手方面には洋館以外に有名な近代建築がいろいろあります。

その中で横浜港のシンボルともいえる存在が横浜三塔です。

キングの塔、クイーンの塔、ジャックの塔です。

 

神奈川県庁本庁舎

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 キングの塔がこちら。

神奈川県庁本庁舎です。

1928年竣工の帝冠様式、鉄骨鉄筋コンクリート6階建てのビルです。

公募で当選した小尾嘉郎の案を神奈川県内務部がアレンジしました。

塔屋は五重塔風で、壁はレンガに筋を入れたスクラッチタイルで仕上げられています。

一階は大理石造りでライト風建築と和風を融合させています。

現在6階の歴史展示室と屋上は耐震化工事のため閉鎖されていますが、2020年4月1日から公開を再開する予定です。

普段は内部を公開していませんが、日にちを決めてたまに公開を行っているようです。

 

横浜税関

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クイーンの塔はこちら。

横浜税関です。

赤レンガの建物にひょろりとした長い塔屋、イスラム風の緑青色のドームが特徴の古風なビルで1934年竣工。

大蔵省営繕管財局の設計による5階建てSRC造りのビルで増築部分は7階建てです。

当初塔屋は高さ47mで計画されていましたが、第22代税関長であった金子隆三が日本の表玄関である港横浜の税関だから塔屋をもっと高くせよ!との大号令で4mかさ上げされ、塔屋の高さは51mとなりました。

1934年当時横浜で最も高い建物でした。

横浜税関では1階の税関資料室が公開されていて、横浜税関の歴史や役割、ホンモノ・ニセモノコーナー、ワシントン条約コーナー、密輸の手口などが展示されています。

入場料は無料で休館日は年末年始。

開館時間は10時から16時となっています。

 

横浜市開港記念会館

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最後のジャックの塔がこちら、横浜市開港記念会館です。 横浜開港50周年を記念し、横浜市民からの寄付を募り建設されました。 竣工は1917年。 設計はデザインコンペで選ばれた福田重義の案を横浜市建築課がアレンジしました。 建築様式は東京駅と同じ辰野式で赤レンガの壁に白い花崗岩をあしらったものです。 関東大震災では内部と塔屋が焼けましたが、1927年に元の姿に復元されました。 横浜市の公会堂なので定員481人のホールはジャズフェスティバルなどのライブに活用されています。 そのほか会議室も貸し出しています。 休館日は第4月曜日と年末年始。 開館時間は9時から22時ですが、10時から16時まで館内見学が可能です。 それでは三塔の住所とアクセスです。 神奈川県庁本庁舎 横浜市中区日本大通1 みなとみらい線日本大通り駅」県庁口出口すぐ 横浜税関 横浜市中区海岸通1-1 みなとみらい線日本大通り駅」より徒歩3分 横浜市開港記念会館 横浜市中区本町1-6 みなとみらい線日本大通り駅」1番出口から徒歩1分 ほぼみなとみらい線日本大通り駅周辺に固まってます。 見ようと思ったら、三塔一度に回れますね。

 

横浜山手洋館散歩8 山手・関内の古い教会

山手は開港当初から欧米人が住み始め、戦後は進駐軍が駐留しました。

洋館に交じって教会があります。

今回はその教会の中で代表的なもの2軒を紹介します。

カトリック山手教会

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 フェリス女子大のすぐ近くに大物中の大物、カトリック教会があります。

カトリック山手教会です。

明治の初めにキリシタン禁止令が廃止になるや、パリ外国宣教会の手で山下町に横浜天主堂が創建されました。

横浜天主堂は1906年に山手に移転。

現在のカトリック山手教会となりました。

初代の聖堂は関東大震災で倒壊し、チェコ人建築家ヤン・ヨセフ・スワガー(Jan Josef Švagr1885~1969)の手で1933年に再建されたのが現在の聖堂です。

またの名を聖心大聖堂。

最初の写真は正面から見た姿で側面はこんな感じです。

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 現在、内部改修工事中のため受け付けていませんが、工事完成後はチャペル結婚式も受け付ける予定です。

日曜日の日本語のミサについては信者でない人でも参加OKだそうです。

横浜海岸教会

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 カトリックのところを紹介しましたから、今度はプロテスタント教会を紹介します。

みなとみらい線 日本大通り駅下車 3番出口から徒歩3分の所に位置する横浜海岸教会です。

1872年に創建された日本最初のプロテスタント教会で初代会堂は1875年にできましたが関東大震災で倒壊。

カトリック山手教会と同じく、1933年に現在の会堂が再建されました。

会堂再建までは木造の仮会堂が使われていました。

横浜市認定歴史的建造物に指定されてます。

内部見学は毎月第3金曜日午前10時から午後3時のみ行っています。

 

カトリック山手教会住所 横浜市中区山手町44

横浜海岸教会住所    横浜市中区日本大通8番地

 

 

横浜山手洋館散歩7  非公開のおしゃれな洋館

今回は非公開で見学できず、外観だけ塀越しに見られるところをご紹介します。

 

カトリック横浜司教館別館

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1927年に竣工したカトリック横浜司教館別館です。

設計施工は糸川工務店です。

木造2階建てのちょっとドイツの民家風の建物です。

褐色のドイツ風モルタル壁に白い木の窓枠の上げ下げ窓で切妻屋根、スレート葺きです。

元は外国人向けの貸家だったとか。

横浜市認定歴史的建造物に指定されています。

建て替えになって横浜市に部材が寄贈されたら元町公園あたりに移築されるかもしれませんが目下は私有地で一般公開されていません。

横浜山手洋館散歩6 港の見える丘公園周辺の洋館

今回の洋館紹介でレストランや喫茶店、博物館を含む山手の一般公開された洋館は終わりです。

今回は港の見える丘公園周辺の洋館です。

イギリス館

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 港の見える丘公園のなかにある旧英国領事館総領事公邸です。

ここもべーリックホール並みにデカいところです。

1937年に竣工した地上二階地下一階建ての鉄筋コンクリートの建物です。

設計は東京の英国大使館と同じ英国政府工務局上海事務所が担当しました。

ここは東アジアの英国公館の営繕を担当しているところです。

1969年に総領事が本国に引き上げる際に競売にかけられ、横浜市が取得しました。

取得後横浜市では港の見える丘公園の付属施設として整備し、1階のホールを60人程度のコンサートや発表会に貸し出しており、2階は寝室や化粧室を往年の姿に復元し公開展示しています。

1990年には横浜市指定文化財に指定されました。

開館時間は9時半から17時で入場無料。

休館日は第4水曜日と年末年始です。

 

山手111番館 

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港の見える丘公園から韓国領事館の方向に進むと途中に建っているスパニッシュ様式の洋館がこちらです。

地上2階地下一階のこじんまりした洋館に見えますが、実は斜面に建っていて、裏のローズガーデンから見ると3階建てに見えるんです。

設計者は、ベーリック・ホールと同じJ.H.モーガン(Jay Hill Morgan)で1926年に米国人両替商ラフィン(J.E.Laffin)の私邸として建てられました。

1階は吹き抜けのホールと食堂、居間、厨房、2階は海を見晴らす寝室と回廊、スリーピングポーチが配置されていました。

ローズガーデンから見ると1階に見えるのが地下室で、ここにはガレージ、使用人部屋でここは鉄筋コンクリート造り。

現在は喫茶室になっています。

喫茶室の看板メニューはオリジナルローズティーと手作りケーキです。

ケーキセットは税込み1100円。

他にパン、サラダ、ドリンク付きのビーフシチューセット(税込み¥1,430)もあります。

開館時間はほかの横浜市所有の山手の洋館同様9時半から17時です。

休館日は第2水曜日と年末年始です。

それでは一般公開されている洋館の住所です。

グーグルマップに入力すればピンポイントで行けるでしょう。

ブラフ18番館     横浜市中区山手町16

外交官の家       横浜市中区山手町16

べーリックホール    横浜市中区山手町72

エリスマン邸      横浜市中区元町1-77-4

山手234番館     横浜市中区山手町234-1

山手資料館       横浜市中区山手町247

山手十番館       横浜市中区山手町247

えの木てい       横浜市中区山手町89-6

ブリキのおもちゃ博物館 横浜市中区山手町239

山手68番館      横浜市中区山手町230

イギリス館       横浜市中区山手町115-3

山手111番館     横浜市中区山手町111

山手洋館の地図はこちらです。

https://www.google.com/maps/d/viewer?msa=0&brcurrent=3%2C0x60185d2004ec7f67%3A0x636e0421eded6dfc%2C0&ie=UTF8&t=m&vpsrc=6&ll=35.43885500000001%2C139.64996300000007&spn=0.012238%2C0.018239&z=15&source=embed&mid=17WIIhP9P4hax6vRdHJEeQCAwy8A

全部回ると半日とありますが、実際には一日がかりですね。

食事を安く済ませようとすると横浜中華街のランチを狙うことになりますが、それだと往復に時間がかかり、全部見て回れません。

まぁデートコースなのでデート2回で全部回るか、ハヤシライスやビーフシチューやフランス料理コースをお昼に食べるかですね。

 

 

 

横浜山手洋館散歩5 山手公園の知られざる洋館

今回の横浜山手洋館散歩、横浜市で管理する洋館ながらガイドブックでなぜか外されることの多い洋館を紹介します。

山手68番館

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 横浜の有名なお嬢様学校であるフェリス女子大。

その南側に山手公園があります。

山手公園にはテニスコートがあるのですが、管理事務所となっている小さな洋館が実は歴史ある山手の洋館の一つなのです。

この洋館は東洋パブコック(現・三菱日立パワーシステムズ)というボイラー部品メーカーの社員であるC.F.フランコ氏の住宅として1933年に建てられた木造平屋建て住宅でした。

ラップサイディング(アメリカ下見張り)の壁を持ち、南側にベランダを備えたコロニアル風バンガローという長崎のグラバー邸に近い建築様式が特徴となっています。

コロニアル風バンガローは元々東南アジアの欧米植民地で多く見られた建築様式。

日本の場合、冬の寒さが厳しいため、ベランダにガラス戸をはめてサンルームにしてしまうことが多かったので、バンガロースタイルで残っている洋館は少なく、その意味でかなり貴重な存在です。

しかも壁がモルタル壁でなくラップサイディングなので明治期の古い西洋人住宅の特徴を色濃く残しています。

山手公園には1986年に移築されました。

小さな洋館で展示物はなく、テニスコート利用者向けの更衣室やシャワー室、休憩室、テニスコート貸し出し受付ぐらいしかないので、ガイドブックにあまり載らないようですね。

建物のデザインは外交官の館に決して劣っていない上、観光客が少なく、静かなので写真を撮るにはいい場所ですよ!

 

テニス発祥記念館

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 テニスコートの管理事務所になっている山手68番館に隣接してもう一軒洋館が建っています。

100年前のテニス服やラケットなど日本テニス史にまつわる展示品が並ぶテニスの博物館です。

でも建物自体は昔の洋館みたいなデザインにはなっていますが、新しい建物なので歴史的価値は特にありません。

おそらく、山手68番館が平屋の小さい洋館なので、テニス博物館を作るスペースが取れなくて、隣にもう一軒洋館を建てて、そっちを博物館にしちゃった感じですね。

休館日は山手68番館、テニス発祥記念館共に第三月曜日と年末年始です。

開館時間は山手68番館が9時から17時(5月16日~8月15日は19時まで開館)、テニス発祥記念館は10時から17時です。