レトロ万華鏡

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横浜山手洋館散歩5 山手公園の知られざる洋館

今回の横浜山手洋館散歩、横浜市で管理する洋館ながらガイドブックでなぜか外されることの多い洋館を紹介します。

山手68番館

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 横浜の有名なお嬢様学校であるフェリス女子大。

その南側に山手公園があります。

山手公園にはテニスコートがあるのですが、管理事務所となっている小さな洋館が実は歴史ある山手の洋館の一つなのです。

この洋館は東洋パブコック(現・三菱日立パワーシステムズ)というボイラー部品メーカーの社員であるC.F.フランコ氏の住宅として1933年に建てられた木造平屋建て住宅でした。

ラップサイディング(アメリカ下見張り)の壁を持ち、南側にベランダを備えたコロニアル風バンガローという長崎のグラバー邸に近い建築様式が特徴となっています。

コロニアル風バンガローは元々東南アジアの欧米植民地で多く見られた建築様式。

日本の場合、冬の寒さが厳しいため、ベランダにガラス戸をはめてサンルームにしてしまうことが多かったので、バンガロースタイルで残っている洋館は少なく、その意味でかなり貴重な存在です。

しかも壁がモルタル壁でなくラップサイディングなので明治期の古い西洋人住宅の特徴を色濃く残しています。

山手公園には1986年に移築されました。

小さな洋館で展示物はなく、テニスコート利用者向けの更衣室やシャワー室、休憩室、テニスコート貸し出し受付ぐらいしかないので、ガイドブックにあまり載らないようですね。

建物のデザインは外交官の館に決して劣っていない上、観光客が少なく、静かなので写真を撮るにはいい場所ですよ!

 

テニス発祥記念館

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 テニスコートの管理事務所になっている山手68番館に隣接してもう一軒洋館が建っています。

100年前のテニス服やラケットなど日本テニス史にまつわる展示品が並ぶテニスの博物館です。

でも建物自体は昔の洋館みたいなデザインにはなっていますが、新しい建物なので歴史的価値は特にありません。

おそらく、山手68番館が平屋の小さい洋館なので、テニス博物館を作るスペースが取れなくて、隣にもう一軒洋館を建てて、そっちを博物館にしちゃった感じですね。

休館日は山手68番館、テニス発祥記念館共に第三月曜日と年末年始です。

開館時間は山手68番館が9時から17時(5月16日~8月15日は19時まで開館)、テニス発祥記念館は10時から17時です。