第15回は太田裕美です。
キャンディーズの蘭さんと同じ1955年の早生まれで東京都荒川区出身、春日部育ち。実家はお寿司屋さんでした。
ナベプロのアイドルに間違いないのですが、彼女の歌はよく通販なんかのフォークニューミュージックベストアルバムにかぐや姫や吉田拓郎なんかと一緒に収録されてます。なぜ~!?
実は彼女はピアノの弾き語りが得意で1993年には自分の作詞作曲でシングル「はじめてのラブレター」をリリースしてます。
さすが上野学園高校声楽科卒です。
ピアノは8歳から。子供の頃から作曲してました。
それでアイドルなのにポプコン出身の石川優子みたいなフォークシンガー扱いなんですね。ご自身でもフォークシンガーとアイドルのいいとこどりと発言されています。
1985年に結婚したご主人は京大卒のエリート音楽プロデューサー、ふたりの息子さんは芸能人ではない様子。
さて、この太田裕美、実はスク-ルメイツとナベプロの養成所「東京音楽学院」でキャンディーズと同期。しかも、もしかしたら4人目のキャンディーズだったかも知れ...ないのです。NHKの歌番組「歌謡グランドショー」のアシスタントを選ぶことになったとき、「東京音楽学院」が推薦したのは蘭さんとミキさんと彼女でした。ところが、その3人で歌わせたらルックスと声がどうも彼女だけ浮いてしまう。結局紆余曲折の末、太田裕美ソロ、ラン・スー・ミキでキャンディーズってことに落ち着いたのでした。
あとで分かったのですが、実はこの話はファンの間で広がった憶測で、「歌謡グランドショー」のアシスタント選びの際にすでにプロデューサーはラン・スー・ミキに決めていたそうです。
ファンのあいだではラン・スー・ミキ・ヒーの4人キャンディーズなら蘭さんと裕美さんでもめて空中分解しただろうとか、ラン・ミキ・ヒーならアパッチやトライアングルみたいなB級になったろうなんて囁かれています。
「東京音楽学院」の研修生があまりに大スター過ぎて様々な憶測が出てきてしまったわけですね。
かくして、キャンディーズが1973年に「あなたに夢中」でデビュー、彼女が1974年に「雨だれ」でデビューすることになりました。
このレコードデビューについてはCBSソニーの音楽プロデューサーの意向がかなり反映されたものだったようです。
今回の曲は1980年リリースで大瀧詠一のカバー曲「さらばシベリア鉄道」。
寒そうに歌う彼女の声がサイコーにカッコイイです。