レトロ万華鏡

昭和レトロなものいっぱいのブログです。

「アイドル」という言葉が出来始めた頃の草創期の女性アイドル16 キャンディーズ

最後の16小節目がやってきました。

トリはもちろんニャンニーズ!ガバテ~!

これ、昔、文化放送の「Go!Go!キャンディーズ」を聴いていた人ならわかるネタです。
前回、太田裕美さんで紹介したとおり、キャンディーズは1973年に「あなたに夢中」でデビューしました。
そのキャンディーズですが、ほかのガールズグループにはないいくつかの特徴がありました。
①結束力が堅い...
なにせ地方公演でホテルに泊まるとシングル3つやツイン+シングルは許しません!

絶対にトリプルか和室に布団3つ並べることを要求します。

トリプルがないホテルだと、エキストラベッドを持ち込ませて強引にトリプルにして泊まります。

漫才師なんかホテルを別にしてくれ!って人もいますからね、これはすごい。

プロなのにノリは女子高の部活なんでしょうな。

②最強のハーモニー
3人がナベプロ養成所「東京音楽学院」に行ったきっかけはその前に奥多摩のキャンプ場で偶然出会って意気投合したからだってファンクラブ会報に何度か書かれていました。本当は「東京音楽学院」の合宿が奥多摩だったようですが。

それでスクールメイツからNHKの歌番組「歌謡グランドショー」のアシスタントをオーディションで選ぶことになったとき、太田裕美が外れて、ラン・スー・ミキになったのは運命の采配としか思えないものがあります。

3人がハモる時は必ずマイクを口元から離したり近づけたりしてきっちりハモらせるんです。

部活ノリですがこういうところはきっちりプロの仕事をしています。

私が知る限りガールズグループってほとんどユニゾンです。

トリオで、ハーモニーが綺麗なところってキャンディーズ以外だとシュガー(くたばっちまえっ!アーメン!の歌の人たち)ぐらいです。
そんな彼女たちもひとりひとりは個性的。
スーちゃんこと田中好子(1956~2011)は鼻にかかった声でナ行の発音が粘る、低音ではややかすれ気味で高音に行くと伸びやか。

ソロで歌うと見事なキャンディーボイスで、3人の中で一番アイドルらしい声と顔。

一番歌唱力があるため初キャンディーズではリードボーカルでした。

ミキさんと蘭さんからは「キャンディーズ謡曲担当」と言われてました。
 キャンディーズのアルバムにも女優に転身後に出したアルバム「好子」にも収録されていない曲、つまり持ち歌でない曲で歌ってほしい曲はジブリ映画「コクリコ坂から」のテーマ曲「さよならの夏」と天地真理の「思い出のセレナーデ」です。

ああいう切ない歌歌わせると完璧でしたからねぇ。
次に蘭ちゃんこと伊藤蘭(1955~)。

アニメのキャラクターのような明るく甘い声。

キャンディーズのなかで都会の大学生のファンが多いお姉さんキャラです。

あの声が実はかなりフォーク向きの声です。

吉田拓郎の作曲した「やさしい悪魔」や「アン・ドゥ・トロワ」は蘭さんの声に実ににあってました。

それにアルバムでははしだのりひことシューベルツの「風」のカバーを歌ったのは蘭さんでした。もし持ち歌ではない曲をリクエストできるなら、吉田拓郎の「元気です」とか、はしだのりひことエンドレスの「嫁ぐ日」(『凡児の娘をよろしく』のテーマ曲)あたりが合うかも。柏村武昭夫人の林竹洋子より決まるかも!

あとポップな曲も上手かったのでフランス・ギャルの「夢見るシャンソン人形」も蘭ちゃんの声で聴いてみたいところです。
そしてミキさんこと藤村美樹(1956~)。

エグレ姫なんて「Go!Go!キャンディーズ」では蘭さんとスー姉さんにおちょくられてましたね。

声はシンプルなんですが、何故か洋楽を歌わせるとうまい!

キャンディーズ内部の音楽監督みたいな立ち位置で洋楽も好きでした。

それだけにアルバムではよく洋楽を歌ってました。

もし持ち歌ではない曲を歌ってもらえるのならシーナ・イーストンの「9to5 MORANING TRAIN」あたりかな…。

③器用
ハモると神ってるって言いたくなるキャンディーズですが、この人たち、ドラマ、ラジオドラマ、コントも得意でした。

ドラマは「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」のドラマコーナーで「美しき伝説」と「目覚めれば秋」をやってました。

コントはドリフのコントに絡むこともあったし、「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」では大物コメディアンの伊東四朗さんと小松の親分さんにたっぷり鍛えられてましたね。

後で2人が述懐してましたよ。

「ハゲヅラかぶるとかそういうのふっても全然怒らないんだ。凄い!」って。

女優さんとかアイドルってそういう変な格好や汚い格好をさせると怒るんですって。

でも彼女たちは怒らずに尚且つ自分たちで考えてきたコントのネタを出してくるんだそうです。プロですよね。

キャンディーズはデビューから1676日目の1978年4月4日:に後楽園球場で行われた 『ファイナルカーニバル』で解散しましたが、もし解散を撤回していたら?ということを作曲家でレッスン担当者だった穂口雄右さんが言ってます。

解散宣言したあとのキャンディーズは自分たちで作詞作曲した曲をアルバムに入れていたので、解散しなければシンガーソングライターになったろうと。あ、ちなみに私は後楽園球場の『ファイナルカーニバル』はしっかり行ってます。
草創期の女性アイドルのなかでキャンディーズはガールズグループの金字塔だと今でももちろん思ってます。

彼女たちもそう思っていたようで、スー姉さんが亡くなるまで時々水谷豊邸(蘭さんの旦那は相棒の杉下右京である水谷豊ですからね)に全員で集結して怪気炎上げていたそうです。

今回のジャケットは初キャンディーズの名曲「なみだの季節」です。 

リードボーカルは勿論我らがスー姉さんです。