山手の洋館紹介、今回は外人墓地周辺の民間所有の洋館を紹介します。
山手資料館
横浜市中区諏訪町で牧場を営んでいた中澤氏の私邸として1909年に本牧に建てられた屋敷の洋館部分を1977年に移築したものです。
明治期に建てられた横浜市の洋館で唯一震災で壊れず残った貴重な建物。
元々は日本式のお屋敷の洋館部分でした。
つまり、文化住宅の洋館部分ですね。
イメージとしてはとなりのトトロのさつきとメイの家の洋館部分だけが残ったと考えるとわかりやすいと思います。
本牧の文化住宅は昭和50年代に取り壊されてマンションになるところを山手十番館のオーナーが洋館部分だけを移築しました。
一階部分には開港期の横浜のオルガンや浮世絵、瓦、ガラス製費などが展示され、二階部分には外人墓地の模型や横浜家具が展示されています。
取り壊された和風住宅部分ともども設計、建築は横浜戸部の大工が手掛けました。
日本人の大工さんが見様見真似で作った洋館はたいてい擬洋風建築になるのですが、かなり本格的な洋館になっているところがすごいですね。
横浜市歴史的建造物にも指定されています。
開館時間は11時から16時で、入館料は大人210円、学生(小学生~大学生)は160円です。
山手十番館
山手資料館と同じ敷地に建っているフレンチレストランです。
塔屋付きの木造2階建て。
塔屋部分はスレート葺き、レストラン部分は瓦屋根で上げ下げ窓にラップサイディング。
いかにも明治か大正の古風な洋館のいでたちです。
さぞや歴史のある建物では?と思われることでしょう。
実は1967年に明治100年を記念して新築したものなのです。
横浜馬車道のとんかつの名店勝烈庵が十番目の店舗をフレンチレストランとして建てたところから「十」番館と命名されたのでした。
山手の洋館としては新参者ですが、明治の建築様式をできる限り忠実に再現して古風な洋館になりました。
2階のフレンチレストランのランチコースは2名様以上の注文となる2800円からのコースメニューになります。
予約をしなくても入れますが、ほぼデート用のお店ですね。
おひとりさまの場合は1階のカフェで1200円のハヤシライスを頼むことができます。
えの木てい
米国人検事の私邸として、1927年日本人建築家朝香吉蔵氏が設計した英国式の洋館です。
1970年に現在のオーナーが買い取って自宅としていましたが、なにしろ瀟洒な洋館です。
撮影に訪れる人が結構いました。
当初現オーナーのお母さまが手作りお菓子でもてなしていたのですが、1979年に1階の応接間をカフェに改装して喫茶えの木ていとして開業しました。
ブレンドコーヒーと紅茶は税抜き550円、ケーキは税抜き500~550円でケーキセットは税抜き1050円です。
エリスマン邸の喫茶室より若干高いですが、アンティークなインテリアも同時に楽しめます。
年中無休で営業時間は11時から19時となっています。
ブリキのおもちゃ博物館
なんでも鑑定団の北原照久館長が山手の古い洋館を買い取って1986年に開業した博物館です。
建築時期は分かりませんが戦前物件っぽいです。
1890年代から1960年代にかけて主に日本で製造された玩具約3,000点を常設展示しています。
圧巻はダイニングレストランのジオラマですね。
駐車場にはバンダイの赤箱のアメ車がずらりです。
ある意味昭和レトロの聖地でもあります。
年中無休で開館しており、開館時間は平日が9時半から18時。土日祝日は19時までです。
入場料は大人200円、小・中学生100円です。
入口にはミュージアムショップもあります。