「人は彼をキャプテンフューチャーと呼ぶ」
エドモンドハミルトンが1940年に書いた古典的なSF小説をアニメ化したものです。
ロジャームーアの007を彷彿とさせる広川太一郎さんのカッコいいヒーロー声が堪能できる代表作です。
「宇宙に行っちゃったりなんかしちゃったりして、このこの〜!」みたいなマイケルホイ風コミカル演技、広川節のファンの方には期待ハズレになるかもしれないですが、あの美しいバリトンに魅せられている方にはお勧めの一作です。
放映期間は1978年11月7日から1979年12月18日までのほぼ1年。
4クール52回にわたっています。
(主演の広川太一郎さん)
通称キャプテンフューチャー。
宇宙科学者で探検家。
たまに宇宙で暗躍する犯罪者とバトルになります。
身長193cmの大男。
モデルは広川さんのイメージからロジャームーアかと思ったら、ロバート・レッドフォードですって。
(コメット号)
宇宙を旅するために搭乗する宇宙船はコメット号。
ちょっと2001年宇宙の旅の宇宙船っぽいのはNHKから古典スペースオペラに見えないようにしてくれって注文がついたからです。
キャプテンフューチャーと一緒に宇宙を旅するのはサイモン・ライト、オットー、グラッグ。
(サイモン・ライト)
サイモン・ライトは脳味噌だけの科学者。
キャプテンフューチャーの両親が科学者で元々は両親の研究仲間だった人。
亡くなるときに脳味噌と記憶を残して欲しいと言ったため、脳味噌だけの科学者となりました。
ゲゲゲの鬼太郎でいえば目玉の親父の立ち位置。
キャプテンフューチャーに様々な助言をし、相談に乗ります。
(オットーとグラッグ)
オットーは合成樹脂製アンドロイドで変装の達人。隕石モグラのオーグというペットを飼っています。
相方のグラッグからはゴム人形とからかわれています。
相方のグラッグは力持ちロボット。
相方のオットーからはブリキ人形とからかわれています。
ペットは宇宙犬で金属を食べるイーク。
このメンバーで宇宙を旅します。
一番無茶振りだったのは、悪者にコメット号を壊されて、仮の宇宙船を作ったとき。
惑星か隕石から鉱物を取り出して、精錬。
金型に流し込むんですが、金型がイークかグラッグが化けたやつなんですよ。
いくらスーパーロボットや宇宙動物でも溶けた金属は無茶苦茶ですよね。
似たような作品にはコブラもありますが、あちらはアウトローの臭いがプンプンしますが、こちらは学者で探検家なので宇宙版インディージョーンズって雰囲気です。
この作品は広川さんのカッコよさが堪能出来ますが、もう一つカッコいいのが、主題歌。
エンディングはペトロアンドカプリシャスの「五番街のマリー」の焼き直しみたいですが、オープニングの「夢の船乗り」はR&B出身でキカイダーとトリトンを歌っていたヒデ夕木さんです。
後半32回からはゴダイゴのタケカワユキヒデさんに変わりました。
突然の歌手交代に巷ではヒデ夕木さんが麻薬で捕まったって憶測が流れました。
(58歳で他界されたヒデ夕木さん。惜しい人を亡くしました)
ヒデ夕木さんは1998年に亡くなられ、
その後日立の人が「この木なんの木」のニューバージョンを収録するため、連絡したところ、死亡が確認されました。
後年、ヒデ夕木さんのご遺族と音楽仲間による追悼ライブが実施されたとき、麻薬の件は全くのデマだと判明しました。
本当はタケカワユキヒデさんが主題歌を歌う予定で収録もしていました。
ところが契約上の問題でその音源が使えず、急遽エキストラでヒデ夕木さんが歌った。
放送開始後、契約の問題が解消したので元々のタケカワユキヒデさんの歌に戻した。
交代劇は契約上の事情だったんです。
ただねぇ。
よく聞くとヒデ夕木さんの声、キカイダーみたいなパンチがないし、ときどき微妙に音程がずれてたんですよねぇ。
もしかしたら、キャプテンフューチャーの歌のときから身体が悪かったのかもしれません。
昭和アニソン四天王はクセがあるけど声量とテクが凄い子門真人さん、元気いっぱいのアニキ水木一郎さん、男の哀愁を漂わせるささきいさおさん、ヒデ夕木さんだと思います。
個人的にはささきさんとヒデさんの歌が好きです。
ドラマチックだから。