レトロ万華鏡

昭和レトロなものいっぱいのブログです。

思い出のドラマ時代劇編9 岡っ引捕物帳2 伝七捕物帳

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締めようか!

ヘイ!

イヨ〜、ヨヨヨイ、ヨヨヨイ、ヨヨヨイヨイ!

目出度ェな!

事件が解決すると、親指と人差し指で一本締めやるヤツ。

伝七捕物帳ですね。

あの一本締めの指に妖怪けむりくっつけたら面白い!って思ったのは誰だい?

私だよっ!

中村梅之助の金さんが終わって、世にもつまらない市川段四郎の金さんが始まって、ああやだなぁ!って思っていたら、これが始まりました。

放映期間は日本テレビで1973年10月2日から1977年10月11日まで。

好評だったので、キー局をテレ朝に変えて1979年2月11日から9月30日まで新たに放映されました。

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主役の黒門町の伝七は中村梅之助

サスペンション劇場で信濃コロンボシリーズ竹村警部をやった中村梅雀のお父さんです。

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(かんざしの文治、飴屋に変装して聞き込み中)

平次なら八五郎にあたるかんざしの文治は今村民路(現・藤川矢之輔)。

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(子分のちょろ松を従える赤っ鼻の五平。ドジだから私は赤っ恥の五平と呼んでました)

ライバルの岡っ引で三ノ輪の万七親分の立ち位置に赤っ鼻の五平。演じていたのは瀬川新蔵。

万七に比べると実にトンマで間抜けなしょうもない岡っ引でした。

これがテレ朝版では鼻が赤くなくて、髪結を兼任していてもうちょっとしっかり者。

名前も亀床の五平と改まっていました。

ではお静さんみたいなおかみさんは?

日テレ版はなんと独身!

テレ朝版は三味線のお師匠さんのお新さんがおかみさんでした。

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(テレ朝版伝七のおかみさんのお新さん)

演じていたのは和田幾子。

ウルトラマン80の怖い教頭先生!

平次の必殺技は投げ銭と二本十手攻撃でしたが、伝七は鉄の鎖の頭と尻尾に分銅をつけた万力鎖で悪者の匕首や長ドスを封じ込み、紫房の十手で叩く!

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(ドスを封じる万力鎖)

細かな技やキャスティングが違うだけで流れは平次と変わりません。

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(伝七が紫房の十手を構える)

明らかに違うのは伝七の素性!

伝七を雇っているのが同心ではなく、与力でもなく、北町奉行遠山左衛門尉景元!

つまり金さん!

ファンへのサービスカットなのか、奉行所や遠山左衛門尉邸で伝七と金さんが中村梅之助一人二役で打ち合わせするシーンが日テレ版にはありました。

テレ朝版は奉行直属の岡っ引みたいな話はあるけど、金さんは出てきません。

私は見ていて、金さんが自分の屋敷の中元で岡っ引に向きそうなヤツをピックアップして訓練して、伝七にしたのかと思いました。

最近になって伝七の設定を調べました。

驚きましたよ。

実は伝七、元罪人。

ところが伝七の器量と気風の良さに遠山景元が惚れ込んで、罪を許す代わりに奉行直属の岡っ引になることを命じて、与力の使う紫房の十手を与えたとか。

そんな話、どこにも出てこなかったよなぁ。

ただ、極悪人の武士に「たかが小物風情が!」って言われて、「小物は小物でも奉行直属、与力格だ。北町奉行所の与力にそんな大口を叩くのか!」って言い返したことはありました。

見ていて、町人なのに与力だって?無茶だ!って思いましたよ。

テレ朝版では伝七は同心泉勢之進の配下。

伝七は正義感の強い人だから、ただの罪人でなく、悪徳高利貸しに苦しめられている人たちを助けるために悪徳高利貸しの土蔵に忍び込んで小判を盗るぐらいのことはしたでしょう。

三味線のお師匠を妻に迎えた経緯だって気になります。

そういうサブストーリーをもっと丁寧に描いたら、岡っ引モノの最高傑作になったことでしょう。

伝七捕物帳、そこだけは残念だよなぁ!