昭和のレトロな日本の旅客機紹介、今回が最終回です。
1970年に初飛行をしたロッキード社の旅客機でダグラスDC-10と同じく主翼に2発、尾翼に1発の3発ワイドボディージェット旅客機です。
トライスターの名はオリオン座の三ツ星と3つのエンジンをかけたネーミング。
ライバルのDC-10に対抗すべく、当時としては最新鋭の自動操縦装置を備えたハイテク機でした。
ANAは1974年から導入を開始し、最盛期には21機保有していました。
1995年に全機が退役しています。
ANAのトライスター採用の過程で、当時の首相だった田中角栄に賄賂5億円が売り上げ不振を焦ったロッキード社から贈られました。
これが世にいう「ロッキード事件」です。
裁判により1983年に懲役4年追徴金5億円の有罪判決が下りました。
このロッキードの疑獄事件はアメリカが仕掛けた田中角栄へのわなだったという説もあります。
何しろ田中角栄はアメリカに反発して中国との国交を樹立し、また、アメリカ側が中東の石油を買わないよう圧力をかけてきたとき、「日本の石油の大半は中東のものだ。アメリカが中東から買う分の石油を融通してくれるというのなら中東の石油は買わない」と反発しました。
この手の話は陰謀論として信用されないことが多いですが、その後の首相がアメリカに追従する態度を鮮明化させた点を考えたら、頭の片隅にとどめておいてもいい説であるかもしれません。
昭和のプロペラ機とジェット機の旅客機は日本航空の発足から始まってこんな風に推移してゆきました。