レトロ万華鏡

昭和レトロなものいっぱいのブログです。

駄菓子菓子駄菓子だ!31 モロッコフルーツヨーグル

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メーカーは大阪市西成区のサンヨー製菓(株)

1961年登場のこれまた歴史ある駄菓子です。

コイツの正体はヨーグルトでも乳製品でもないんです。

食べるとフルーツの香りがしてクリーミーでちょっとシャリシャリしますよね?

実は砂糖とブドウ糖ショートニングを混ぜ合わせて、酸味料と香料を加えたものです。

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(ホントは瓢箪型の木べらが付くんですが、もらい忘れたので、マドラースプーンで食べる)

小さな木べらでちょっとずつすくうから旨いんですよね。たぶん。

ロッコというネーミングはヨーグルトで有名なブルガリアと同じ地中海国家だからって軽いノリで決まりました。

ロッコブルガリアじゃ地中海の端から端じゃんって?

ま、いいじゃないですか。

ノリ一発ってことで。

フルーツはフルーツの香りだから。

ヨーグルは?

「トを取ったら、ようけでるやろ?」

って駄菓子本の取材でここの確か社長さんが言ってたと思います。

サンヨー製菓、かつてはウイスキーボンボンのメーカーでした。

でもチョコレートは夏は溶けるから売れないし、作れない。

夏に売れそうなものということで開発したら、当たったので、ロスが常に二割出て歩留まりの悪いウイスキーボンボンはやめて、モロッコフルーツヨーグル一本にしたそうです。

問屋に卸すのは80個で一箱のカートン。

うち商品は60個。

当たりは15個。

万一不良品が出た場合の交換用が5個。

フタの裏がくじになっていて、当たるともう一回もらえるのがモロッコフルーツヨーグルのもう一つの特徴です。

マークが象さんなのは、子供たちが象のように強くたくましく育って欲しいという願いから。

容器は象さんの足ではなく、昔のヨーグルト瓶を模したから。

姉妹品にはジャンボヨーグルがあります。

食べると胸焼けしそうですね。

こちらはパンに塗って食べるユーザーがいると聞いて、パンに塗りやすいように大型瓶にしたのだとか。

駄菓子菓子駄菓子だ!30 夜空の星

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なかなかポエティックなネーミングですね。

メーカーは愛知県名古屋市のマルタ食品(株)

マルタ食品は戦後すぐに金平糖メーカーとして創業。

1950年に法人化。

かなりの老舗です。

今は二代目社長が暖簾を守っています。

金平糖は作り方が特殊で手間がとてもかかるため、作れるメーカーが日本国内に8社ぐらいしかありません。

傾斜装置付き直火式回転釜という特殊な釜が必要です。

角ザラメに沸騰したグラニュー糖液を回転させながら、かけ続け、一週間かけて大きくするのです。

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(喫茶店のコーヒークリームかガムシロップのカップくらいの大きさの容器を裏返すと中身が見えます)

温度を一定にし、回転速度を速くしないというのがポイントで回転速度を速くするとトゲが出来ずにまん丸になるそうです。

金平糖自体は長い歴史のあるお菓子ですね。

織田信長の時代にポルトガルから伝来した

「コンフェイト」をルーツとする歴史ある駄菓子です。

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(韓国版金平糖。シャーペンの入れ物を太くしたようなのに入ってました。粒が小さいのは一週間かけて作ってないから?!)

金平糖、実は韓国の駄菓子にもあるんです。

でも日本のと比べるとだいぶ小さい。

たぶん釜から引き上げるのが早いんですね。

本家ポルトガルではもう地方でしか作ってないそうです。

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ポルトガル版。本家は透明感がない)

日本のと比べて色が派手で透明感がなく、硬いそうです。

古いカラー絵葉書から19 昭和の青函連絡船の絵葉書 羊蹄丸

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メルカリで見つけた旧国鉄時代の青函連絡船絵葉書の続きです。

今回は津軽型第6番船の羊蹄丸です。

JR北海道発行の絵葉書にも入っていた燕脂色と白の塗り分けの船です。

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JR北海道版はこちら。しっかり燕脂色と白です)

燕脂色は道内の当時のキハ82系特急の赤とお揃いです。

青函連絡船廃止後、イタリア のジェノヴァ国際博覧会の日本パビリオンに使われたのち、船の科学館で保存されました。

船の科学館閉鎖後、35件の譲渡申請があったものの何故か日本財団は解体業者に譲渡してしまいました。

中にはきちんと保存するという申請者もいた筈です。

ったく。

なんで解体屋に譲渡するかなぁ。

駄菓子菓子駄菓子だ!29 クッピーラムネ

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メーカーは愛知県名古屋市カクダイ製菓(株)

登場は1963年。

歴史ある駄菓子です。

元々は駄菓子屋くじの外れ景品として1950年に開発されました。

当時は個別包装ではなく、瓶詰で大量にラムネ菓子が入っている状態でした。

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(個別包装されたキャンディータイプのラムネ菓子)

ラムネ菓子の存在が広く知られるようになった1955年、キャンディーのようにセロハンで包み、両側を捻ったスタイルの包装がなされるようになりました。

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(デパート屋上遊園地でよく見られたクレーンゲーム)

このタイプは日本橋高島屋や今は亡き日本橋東急の屋上遊園地でクレーンゲームの景品になってましたから覚えています。

1962年にはお馴染みのウサギとリスのキャラクターが登場しました。

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クッピーラムネの中身。命名グッピーから。クッピーの方が可愛いって理由で“を取ったのでした)

クレーンゲームの景品用はバターボールやチャオぐらいある大きめのものでしたが、

小さな袋に入ったクッピーラムネは頭痛薬のバファリンぐらいの小粒のものです。

白と肌色と桜色のが入ってます。

白はレモネード味。肌色はオレンジ味。桜色のはイチゴ味ですね。

全部同じにしないところは芸が細かいですね。

これは町内会のお祭りで子供に配るお菓子の中に大抵入ってました。

古いカラー絵葉書から18 昭和の青函連絡船の絵葉書 摩周丸

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メルカリで見つけた旧国鉄時代の青函連絡船絵葉書の続きです。

今回は津軽型第5番船の摩周丸です

JR北海道発行の絵葉書にも入っていた群青色と白の塗り分けの船です。

この群青色、実は新幹線0系の青とお揃いです。

学生時代の北海道旅行で乗船した個人的にも懐かしい船です。

出港のときは驚きましたね。

何せスピーカーからボワーン、ボワンボワンボワンボワンボワン、ボワーン!っていきなりドラの音が聞こえるんですよ。

そのあと蛍の光のピアノ演奏がかかるんです。

海上衝突予防法により全長100メートル以上の船舶ではドラの設置が義務付けられているそうですが、明治時代から出港のドラは鳴らしていたんでしょうね。

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JR北海道版でも新幹線0系ブルーが確認出来ます。塗色変更はありません)

廃船後は八甲田丸と共に産業文化遺産として保存されました。

八甲田丸は青森に、摩周丸は函館に保存されています。

古いカラー絵葉書から17 昭和の青函連絡船の絵葉書 八甲田丸

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メルカリで見つけた旧国鉄時代の青函連絡船絵葉書の続きです。

今回は津軽型第2番船の八甲田丸です。

JR北海道発行の絵葉書にはなぜか入ってませんでした。

ほら、黄色と白の塗り分けの船なんてありましたか?

なかったでしょ?

代わりに観光客の目にほとんど触れることのない貨物船の空知丸なんか入ってました。

何故外されたのか、正直見当がつきません。

さて、この八甲田丸、就航は1964年8月12日。

引退は1988年3月13日。

津軽丸と松前丸が1982年に耐用年数に達して廃船となったのに対し、八甲田丸は延命工事が行われ、歴代の青函連絡船最長となる23年7ヵ月間もの長い間、津軽海峡を往復していました。

廃船後は摩周丸と共に産業文化遺産として保存されました。

八甲田丸は青森に、摩周丸は函館に保存されています。

さて、八甲田丸ですが、前回お伝えした通り、完成当初は大雪丸松前丸と同じ若草色でした。

紛らわしいですね。

しかも煙突のJNRマークの上下。

松前丸は若草色ですが、八甲田丸と大雪丸は同じくピンク。

船体は津軽丸型で同じ。

区別の必要が生じました。

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(デビュー当時の八甲田丸。大雪丸とお揃いのカラーリングでした)

それで八甲田丸は1969年に黄色と白に塗り替えられました。

かくして、津軽丸型船舶にはシンボルカラーが出来たのです。

整理するとこうです。

津軽丸………青灰色

②八甲田丸……黄色

松前丸………若草色

④大雪丸………緑色

摩周丸………群青色

⑥羊蹄丸………臙脂色

⑦十和田丸……橙色

戦隊モノみたいな船体になりました。

駄菓子菓子駄菓子だ!28 花串カステラ

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メーカーは愛知県名古屋市の鈴木製菓有限会社。

22cmもの長い串に平べったいベビーカステラがソーシャルディスタンスして間隔を空けて刺さってます。

この平べったいベビーカステラ、全体的に砂糖がまぶしてあって分かりにくいですが、茶色の焦げ目の付いている側が花の形の模様がついてます。

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(花串カステラの中身。写真では裏側になる平べったいベビーカステラの焦げ目には花模様)

だから「花串」な訳です。

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ベビーカステラの裏面)

名古屋が発祥の地でメーカーは全て名古屋。

しかも暖簾分けで繋がっている子弟関係にあるのです。

この鈴木製菓の場合、師匠が梅田製菓。

兄弟弟子が稲吉製菓と佐藤製菓。

梅田製菓の師匠は朝日軒。

兄弟弟子に美濃金製菓。

その弟子が永井製菓。

そして両者の師匠である家元が美濃鎌。

これじゃまるで落語家ですよ。

花串カステラ自体を美濃鎌一門と呼ばなくてはならなくなります。

こうなってくると、たかが駄菓子。されど駄菓子ですなぁ。