レトロ万華鏡

昭和レトロなものいっぱいのブログです。

思い出のアニメ ジャパニメーション編22 その他1960年代の日本のアニメ 妖怪人間ベム

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ボコッ、ボコッ……

いつどこで誰が生み出したのか誰も知らない、人でも動物でもない異形の怪物

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(ボコッ、ボコッと怪しいバイオテクノロジー実験が……)

オープニングで試験管やビーカーが出てきたり、アメーバみたいなのがドンドン細胞分裂するし、バイオテクノロジーが生み出した危険な生物化学兵器の臭いがプンプンしますね。

舞台はヨーロッパっぽいけど無国籍な感じ。

無国籍風なのは日韓合作だからです。

放送時期は1968年10月7日から1969年3月31日まで。

制作はアサツーDK(当時は第一動画)、制作協力韓国東洋放送(1980年に全斗煥大統領の言論統制政策で閉局させられたサムスングループの放送局。2011年に衛星放送局JTBCとして復活)。

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(ベム)

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(ベラ)

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(ベロ)

原作シナリオ、キャラデザインは日本。

作画を日本人スタッフが訪韓して韓国でやってもらうやり方で完成させました。

放映はフジテレビと韓国東洋放送の両方で同時期に行われてます。

その後宇宙海賊キャプテンハーロックなど作画の一部を韓国に発注するケースが出てきていますが、そのルートは妖怪人間ベムの頃にできたんですね。

同時期に韓国で放送されていたため、向こうの方に「妖怪人間」を韓国語読みにして「ヨーケーインガン」って言うと通じちゃうんですよ!

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五輪真弓。やっぱり妖怪人間ベラだよなぁ)

いつぞや、「恋人よ」が韓国でヒットした五輪真弓のことを「妖怪人間ベラみたいだね」って韓国語で向こうの方に言ったら、ウケましたよ。

韓国に行って、何やってんだ?

私は。

あらすじは気味の悪い化け物に街の人が襲われる。

妖怪人間ベム、ベラ、ベロが助ける。

助けてもらったにもかかわらず、人間は妖怪人間の容姿を見て、めっちゃキモいと石を投げて妖怪人間を追い出す。

追い出された三人は街から村へ、村から街へ、放浪の旅を続けるのです。

私なんかベロ見つけたら、面白がるな。

指、三本なの!?

怪獣に変身出来るの!?

おもしれェじゃん!って言ってさ。

子供の頃からマッチョは嫌いだったけど、ハリーポッターのラブグッドみたいな不思議ちゃん系は結構好きでした。

大人になって振り返ってみたら、妖怪人間ベムの裏テーマって、実は差別だったんじゃないかなって感じました。

最終回なんか可哀想でしたよ!

ベム、ベラ、ベロが人間になる方法が見つかるんです。

でも三人は人間になるのを断念するんです。

最後にベムがいいます。

「俺たちが人間になったら、誰が人間を妖怪から守るんだ?」

木枯らしの中、三人は寂しく立ち去って、「完」

私と一緒に見ていた母が言いましたね。

「何よ!悪いのは人間の方じゃない!妖怪人間可哀想!」