「聞いたか? 江利チエミのドラマのサザエさんが今度テレビマンガになるってよ!」
小学一年生のある秋の日、友だちとの雑談です。
テレビアニメのサザエさんは1969年10月5日からスタート、未だに続いています。
1975年から1997年までは毎週火曜日に再放送も行われていました。
今でこそサザエさんは当たり障りのないホームドラマ風アニメですが、私が小学生の頃はモロにドタバタホームコメディでしたね。
(初期の凶暴そうなサザエさん)
サザエさんもおフネさんも結構意地悪だったし、カツオはかなり過激なおいたをしていた記憶があります。
どうもそのネタはトムとジェリーを意識したものだったようです。
ただ、そのドタバタコメディ路線は原作のファンからは不人気だったため、方向が修正され、だんだんと穏健な内容になっていきました。
原作ではおフネさんが怖い人で、波平は威厳がない点がアニメとは異なっています。
(原作より知的ならタラちゃん)
(アニメでは優等生学級委員タイプだけど原作じゃおてんばなワカメちゃん)
タラちゃんは原作の方がわんぱく。
ウチの息子は小さい頃、タラちゃんとクレヨンしんちゃんを見て、「いいなぁ!アタマいいよなぁ!」って羨ましがっていましたが。
作品によく泥棒ネタが出るのは原作者の長谷川町子が実際に泥棒に度々入られていたからだとか。
長谷川町子とその姉が版権ビジネスがお嫌いだったようで、JAバンクとスポンサーの東芝以外はほぼ断られていました。
二人の死後は長谷川町子美術館の運営資金も必要だったのでしょう。
公式ブックの出版やネット配信が行われるようになっていきました。
意外なのは登場人物が高学歴で、サザエさん一家の大人たちが揃って大卒である点です。
(実は女子大出のサザエさん。初期はピーナツを上に放ってパクッとやっていたけど、誤飲したらどうする!ってクレームが来て、ジャンケンに差し替えられました)
サザエさんはあわび女子学園大学卒。
(京大出エリートの波平。それじゃ勉強出来ないカツオが許せないはずですよ)
波平は京大出。
(日本女子大学卒磯野フネ。昔の人なのに学士様)
おフネさんはポン女出。
(フグ田マスオ。早稲田大学出身。バカボンのパパは馬鹿田大学出身なのに!)
マスオさんは早稲田出。
(ノリスケさんは東大卒の大手出版社勤務)
出版社の編集者であるノリスケさんはなんと東大法学部出のエリートです。
(タイコおばさん、まさかの立教!)
奥さんのタイ子さんは立教出。
(マスオの同僚の穴子さんは波平の後輩)
穴子さんは波平の後輩で京大出。
アニメでは子供たちはいつまでも子供のままで、SFアニメの好きな人たちからは細胞再生装置で歳を取らないようにしている隠れSFなんてからかわれてます。
サザエさんはギネスブックに世界最長寿アニメとして記録されています。
演じている声優さんのうち、第一回から出演しているのはサザエさん役の加藤みどりさんとタラちゃんの貴家堂子さん。
(タラちゃん役の貴家堂子。ハクション大魔王のアクビちゃんも天才バカボンのハジメちゃんもこの方)
他の方は亡くなられたり、引退されたりして交代しました。
この作品、いつまで長寿記録を伸ばすやら。