レトロ万華鏡

昭和レトロなものいっぱいのブログです。

思い出のアニメ 助っ人アメリカアニメ編12 スカイキッドブラック魔王

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「ケンケン! 寝てるときには夢を見な!

弓矢を撃ったら百発百中!

とんとん拍子に出世して、

今、ケンケン国のケンケン王!

……なんてくだらねェ夢見ないで、起きろ〜!」

フヒヒヒヒヒヒ!

確かこれ、チキチキマシン猛レースの後番組だったような気がします。

ミルクちゃんやキザトトくんが消えて、ブラック魔王とケンケンだけになった。

シャックリをしながら話しているような変な喋り方をするビックリと臆病者でオネエ言葉のヘッピリが加わった。

今度はカーレースではなく、大正時代の飛行機みたいな複葉機の戦闘機で敵の伝書鳩ポッピーをひたすら捕まえに行って毎回逃げられる。

しょっちゅう大臣から電話がかかってきて、ブラック魔王が怒られる。

そんな話でした。

1969年にアメリカで制作され、日本では1970年8月3日から1971年11月23日までテレ朝(当時はNET)で放映されました。

30分の放送でポッピーを追いかける話が二本。間にブラック魔王とケンケンのショートコントが入ります。

ショートコントの出だしがブラック魔王の「弓矢を撃ったら百発百中」だったんです。

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(ポッピーはアメリカ版ではラッパを吹くだけ。日本版は「ここよ!ここよ!とブラック魔王をコケにする)

一応アメリカ版も見てみました。

ポッピーはプップ、プップ、プー!とラッパを吹くだけでセリフ無し。

ケンケンはヒヒヒヒヒヒヒヒ!と機械的な声で笑うだけでこちらもセリフ無し。

テーマソングなんてなくて、アメリカンホームコメディのオープニングみたいな音楽が流れるだけです。

間違いなく日本語版の方が面白いですね。

これは演出家と声優陣でアメリカオリジナル版より面白くしようと相当頑張ったんですね。

ポッピーは設定では雄の伝書鳩でしたが、雌にして、峰不二子増山江威子さんにセリフをつけてもらいました。

「ここよ!ここよ!」って完全に舐め切っていて憎たらしいですよね。

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(メカニックだけど、言語不明瞭なビックリ)

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(臆病者ですぐに脱走しようとするヘッピリ)

怪しいビックリは大泉滉さんで怖がってすぐ脱走しようとするヘッピリは関敬六さん。

声だけしか登場しない。

電話をかけてきてブラック魔王を怒鳴り散らす大臣。

なんと、昔の黒沢映画で悪役で出てきた上田吉二郎ですよ!

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(電話越しに大臣に怒鳴られるブラック魔王)

脇を結構な名優で固めてます。

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(ケンケンは尻尾をプロペラのように回転させるとホバリングができる)

ケンケンはチキチキマシンからそのまま、神山卓三さん。

チクチク嫌味を言う。

「ケンケン!助けてくれ〜!勲章やるからよ〜」ってブラック魔王に言われると渋々助ける。

勲章をくれないと助けないでせせら笑う。

あのフヒヒヒヒヒヒ!がポイントでした。

あの笑い、真似しましたよ!

息を出し切って肺を空っぽにして、お腹で笑うと似たような感じになります。

そして一番光っているのは当然ブラック魔王の大塚周夫さんですね。

主演ってだけでなく、堂々たる代表作でしょう。

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(主役特権?大塚周夫さんの主題歌レコードもありました)

だって阿波踊りのリズムの主題歌まで歌っているんですから。

大塚周夫さんは偉そうなくせにチンケでセコくて、でも憎めないキャラクターをやると完璧なんですよ。

忍たま乱太郎がアニメ化されるとき原作者の尼子騒兵衛先生が山田先生役に自ら大塚周夫さんを指名したそうです。

たぶん尼子騒兵衛先生はブラック魔王を見ていますね。

それと大塚周夫さんの面白さに気がついてますよ。