「ハ〜ッハッハッハッ!判るかネ、明智君!」
流行ったんだよなぁ。
このフレーズ。
小学4〜5年ぐらいだったかなぁ。
よりによって、このフレーズを友だちんちに電話をかけるときに使っちゃったヤツもいました。
「ウチは明智じゃありません!」
ガチャン!
……って切られますって。
「判るかね、明智君」ってフレーズはラジオドラマの「怪人二十面相」が震源地。
「ラジオはHAPPYな友だちで〜す!」第一回で紹介した欽ドンが終わると9時50分から10分、ニッポン放送でやってました。
放送時期は1973年から1974年。
丁度私が小学校の高学年だった時期と重なります。
二十面相のフレーズは欽ドンでも人気があって、よくコントのネタにされてました。
スポンサーはオリベッティ。
まだ覚えてます。
タイプライターを見て、怪人二十面相を連想するのって私だけ?
(この頃のオリベッティタイプライター)
出演は明智小五郎が沖田艦長で有名な納谷悟朗さん、二十面相が脇役専門の俳優さんで小山田宗徳さんでした。
子供心にお二方とも演技が渋くて迫力があると思いました。
(二十面相役の小山田宗徳)
怪談話みたいなおどろおどろしい雰囲気でしたね。
やってることは暗号解読、事件の謎解き、変装の化かし合い。
雰囲気をポップにするとルパン三世みたいなもんですかねぇ。
二十面相人気であの頃、小学校では図書館で原作の江戸川乱歩怪人二十面相シリーズを借りるのがブームになりました。
個人的には「怪奇四十面相」が好きでした。
「紀の森戸崎、髑髏島。髑髏の左眼を探れよ。流るるなんだの方へと、弓手、弓手と進むべし」
暗号に従って洞窟の奥に行くと、黄金の巨大髑髏がド〜ン!
「三重渦状紋」なんて単語を覚えたのはこのラジオドラマのせいです。
指紋の渦巻が三つもあって、人の顔みたいになってるヤツだそうです。
「悪魔の紋章」ってタイトルの回でした。
原作読みたいですよね!
ところが、学校の図書館の怪人二十面相シリーズにはいくら探してもないんです。
アレ!?
随分後になって理由が判明しました。
ラジオドラマの二十面相は江戸川乱歩の大人向けミステリーが原作。
二十面相が出ないやつを放送作家が出るように改造してたんです。
怪人二十面相が終わると人間椅子とかの明智小五郎も怪人二十面相も出てこない江戸川乱歩シリーズになりました。
でも、人気がなかったんですかねェ。
すぐに終わって歌番組になっちゃったと思います。